今から1600万年以上前に現在のニュージーランドにあたる地域に生息していた巨大なオウム「ヘラクレス・インエクスペクタトゥス(Heracles inexpectatus)」。研究者の推定によると、体高は1m、体重は約7kgもあったという。オウムの足元に描かれているのは、同じ時代にニュージーランドに生息していたクイオルニス(Kuiornis)という小型のミソサザイ。(ILLUSTRATION BY BRIAN CHOO)
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 今から1600万年以上前、現在のニュージーランドにあたる地域で、1羽の大型の鳥が死に、湖の底に沈んでいった。その骨は、砂と灰青色の粘土の層の中で化石となり、数年前に発掘された。今回それが、これまで知られている中で最大のオウムの骨であることが判明した。(参考記事:「ダチョウの3倍ある巨鳥の化石を発見、北半球最大」

カササギ、成人、大型のオウム「ヘラクレス・インエクスペクタトゥス」の大きさをシルエットで比較する。(ILLUSTRATION BY TH WORTHY AND P. SCOFIELD)
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 現在の地球上に生息する約350種のオウムの仲間のうち、体重が最も重いのは、同じくニュージーランド固有の飛べない鳥カカポ(和名:フクロウオウム)だ。だが今回判明した新種のオウムは、それをはるかに上回る大きさだった。化石化した2本の脚の骨から推定すると、この絶滅したオウムは体重が約7kg、体高が約1mあったとみられる。その予想外の大きさから、ギリシャ神話の勇者にちなんで「ヘラクレス・インエクスペクタトゥス(Heracles inexpectatus)」と名付けられた

 これだけの体高があれば「あなたのへそのゴマをつまめるくらいです」とオーストラリア、ニューサウスウェールズ大学の古生物学者マイケル・アーチャー氏は話す。氏らによる今回の発見は8月7日付けで学術誌『バイオロジー・レターズ』に発表された。

「(カカポは)非常に変わった鳥です。ニュージーランドにかつて仲間たちがたくさんいたとしたら驚きです」と米テネシー大学の生態学者アリソン・ボイヤー氏は話す。なお、彼女は今回の研究には参加していない。(参考記事:「残り147羽の鳥カカポに「記録的な繁殖期」、NZ」

見過ごされていた巨大な骨

 この鳥の化石は2008年にニュージーランドのセントベサンズで発掘された。セントベサンズは、かつて湖があった場所に位置し、昔は鉱業で栄えていた町である。発掘現場は中新世初期の化石層で、植物、ワニ、コウモリのほか、数十種の鳥の化石が見つかっている。(参考記事:「絶滅した古代コウモリの新種発見、中新世のNZ」

「セントベサンズの動物相からは6000点以上の鳥の骨が見つかっていますが、そのほとんどが非常に小さいものです」とオーストラリア、フリンダース大学の古生物学者トレバー・ワージー氏は言う。

 だから、ヘラクレスの大きな脛足根骨(けいそくこんこつ、骨付き鶏もも肉で手にもつところの骨)はひときわ目立った。発掘から10年間、この骨は、同じ現場から出土したワシのものと思われる骨と一緒に棚に置かれていた。ところがあるとき、1人の大学院生が、これが古代のワシの骨ではないことに気づいた。

次ページ:「完全に予想外で、まったく新しいものでした」

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