あ、撮られた! 自動撮影された動物たちの素顔

ツチブタからキノボリカンガルーまで、無防備な姿を激写ギャラリー18点

2019.09.09
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セコイアの森を飛ぶニシアメリカフクロウの仲間(学名Strix occidentalis caurina)。米国カリフォルニア州北部で撮影。ニシアメリカフクロウの仲間はカリフォルニア州、ワシントン州、オレゴン州、カナダのブリティッシュコロンビア州などの原生雲霧林に生息し、絶滅の危機にひんしている。(PHOTOGRAPH BY MICHAEL NICHOLS, NAT GEO IMAGE COLLECTION)

 研究の分野から自然保護活動まで、カメラトラップ(自動撮影装置)は、野生生物についての私たちの知識に革命的な変化をもたらしている。

 カメラトラップが誕生したのは100年以上前だが、本格的に普及し出したのはカラー写真に対応してからだ。(参考記事:「カメラトラップ、ボリビアのジャガー」

 カメラトラップはモーションセンサーや赤外線センサーを搭載しており、主に動きを感知して起動する。動物たちの行動をほとんどじゃますることなく自動撮影できるため、特に科学の世界で重宝されている。(参考記事:「南米のオオアリクイ、自動撮影調査」

 米国、ノースカロライナ自然科学博物館とノースカロライナ州立博物館の動物学者で、カメラトラップに詳しいローランド・ケイズ氏は「カメラトラップが素晴らしいのは、写真という検証可能なデータが手に入る点です」と述べる。「検証可能であることは科学の基本ですから」

 例えば、2017年には、パナマの北に暮らすヤブイヌの姿がカメラトラップによって初めてとらえられた。ヤブイヌは世界で最も解明されていない肉食動物の一つであり、この貴重な映像が科学界に新たなデータをもたらした。(参考記事:「珍しい犬「ヤブイヌ」を撮影、コスタリカで初」

【関連ギャラリー】自動撮影カメラがとらえた! 野生動物たちの素顔 写真18点(写真クリックでギャラリーページへ)
ベンガルトラ / 水たまりで遊ぶベンガルトラ(学名Panthera tigris tigris)の子どもたち。インドのバンダウガル国立公園で撮影。ベンガルトラの子どもは狩りを覚え、縄張りの支配権を確立した後、生後18カ月ごろに母親から離れる。(PHOTOGRAPH BY STEVE WINTER, NAT GEO IMAGE COLLECTION)

市民科学者とプロの科学者のコラボレーション

 科学機器としてのカメラトラップは、美しい写真を撮ることは意図していない。特定の場所に暮らす生物を写真に収めることが目的だ。近年、カメラトラップの技術に関心を示す人はどんどん増加している。

 例えば、市民科学者が自宅の裏庭にカメラトラップを設置し、撮影した写真をプロの科学者と共有するケースも多い。科学者たちは提供されたデータを分析し、ほかの地域のデータと比較できる。(参考記事:「【動画】カメラは見た! 実は肉食系でもあるノウサギ」

 こうしたユニークなコラボレーションは「科学研究に役立ち、一般市民も動物について学ぶことができます」とケイズ氏。(参考記事:「幻のジャングル犬の親子を撮影、おそらく初」

 もちろん、カメラトラップには欠点もある。その一つがコストの高さだ。しかし、技術の進歩により、今後コストは下がり、品質は向上するだろう。そうなれば、地球上の多様な種について、より多くの洞察を得ることができる。

【この記事の写真をもっと見る】ギャラリー:自動撮影カメラがとらえた! 野生動物たちの素顔 あと16点

文=RUHI MANEK/訳=米井香織

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