【動画】最大級のホホジロザメ、クジラを食べる

間近で撮影された貴重な光景、大きなお腹は妊娠? 米ハワイ沖

2019.07.23
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妊娠か、ぽっちゃりか

 ただ、ロウ氏が言うには、血中のホルモン濃度を測れない限り、3頭のメスたちが妊娠しているかどうかを断定するのは難しい。ディープ・ブルーは特にがっしりとしているため、推測は困難だ。

 グアダルーペ島付近で撮影されたディープ・ブルーの動画が拡散したとき、そのあまりの巨体に、妊娠中ではないかと考えた人は多かった。しかし、メスは妊娠している間、グアダルーペ島には戻らないと、ナズビー・ルーカス氏は指摘する。すべての証拠は、メスたちは交尾をしに戻っていることを指し示していた。

 お腹が大きいからと言ってサメが妊娠しているという判断は、今回観察されたディープ・ブルーの旺盛な食欲によっても、曖昧なものになっているとロウ氏は考えている。「サメがクジラの肉を食いまくると、でっぷりとしたお腹になるのです」

 だが一方で、妊娠中のホホジロザメは沖合で採餌をするのが一般的なので、「たぶん、妊娠しているんじゃないでしょうか」とナズビー・ルーカス氏は言う。

サメに助けを

 最近ではハワイ近くでホホジロザメが目撃されることは少ないが、北太平洋におけるホホジロザメの個体数は近年、増加しているようだ。米海洋大気局南西水産科学センターの海洋生物学者、ハイディ・デュワー氏によれば、1994年のカリフォルニア州の網漁禁止等、様々な保全策の成果が出ているという。(参考記事:「巨大魚ウバザメが網に、まるで古代生物」

 先日の目撃によってまた、ホホジロザメの窮状と、彼らが心無い殺戮者であるとのありがちな誤解に注目が集まっている。ホホジロザメが最強の捕食者であることは間違いないし、注意と敬意をもって関わらなければならないことは確かだ。しかし、この堂々とした生きものたちが単なる殺戮マシンであるというようなとらえ方は、彼らを危険にさらしてしまいかねない。

「一般の人たちが海の動物について、特にサメについて、ポジティブな方向で話題にしてくれるのは、海にとってよいことでしかないと思います」とデュワー氏は話す。

「海は助けを必要としているのです」

ギャラリー:恐ろしくも美しきサメ、10選(写真クリックでギャラリーページへ)
大きな口をあけて鋭い歯を見せるホホジロザメ。人を襲うことで知られ、多くの海水浴客を恐れさせている。(PHOTOGRAPH BY DAVID DOUBILET, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)

文= Maya Wei-Haas/訳=桜木敬子

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