仲間の気持ちを声で聞き分け、ヤギで判明

「餌が出てきてうれしい声」や「仲間外れにされた不満の声」など

2019.07.21
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ヤギは賢く、社会性の高い動物だ。ほかのヤギが喜んでいるのか不快なのかを声を聴いて判別できることが、新たな研究でわかった。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NAT GEO IMAGE COLLECTION)
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 動物たちが周囲の世界をどう感じ取っているかは、いまだに謎が多い。高度な社会性をもつヤギも同様だ。

 ヤギはYoutubeでも人気者で、かわいらしくて笑える動画がいくつも投稿され、再生回数は数百万回に上る。表現力豊かで社交的な彼らを、擬人化したくなる気持ちはわかるが、実際どうなのかはほとんど解明されていなかった。(参考記事:「【動画】電線ぶらり、ドア破壊、ヤギの奇妙な行動」

 学術誌「Frontiers in Zoology」に7月10日付けで掲載された新たな研究によると、ヤギはほかのヤギが喜んでいるか不機嫌かを、声を聞いて判別できるという。つまり、ヤギは仲間の気持ちがわかるということだ。今回の発見は将来、飼育されているヤギの扱いに影響してくる可能性もある。

「最も基本的なレベルで、ヤギは周囲の環境を認識している」ことが示されたと、論文の筆頭著者であるルイージ・バシャドンナ氏は話す。「人間以外で仲間の感情を感じ取れる動物という点で、ヤギはウマ、霊長類、ヒツジなどと共通しているのです」。同氏は英ロンドン大学クイーン・メアリー校で博士課程修了後の研究助手を務める。(参考記事:「「笑い声」で明るい感情が伝染、NZの希少オウム」

 今回の実験を行った研究者たちは、ヤギが声を通じて感情を表現できることを以前に発表していた。今回はより大きな研究チームで、ヤギがほかの個体の感情を判別できるかを探ることにした。「感情が他者に与える効果を実際に調べなければ、社会性の大きな側面を見落としてしまいます」と、バシャドンナ氏。

 実験では、英ケント州の保護施設で飼われている24匹のヤギを対象とした。この施設は、世話を放棄されたり、虐待されたりしたヤギを保護している。

鳴き声の聞き分けテスト

 研究チームは、ヤギが喜んでいるときの鳴き声(餌が運ばれてきたとき)、軽い不満を表しているとき(群れから5分間引き離されたときと、自分は食べられない状態で、ほかのヤギが餌を食べているのを見ているとき)の鳴き声を録音した。(参考記事:「超音波でしゃべるネズミの会話、スロー再生で解読」

 次にその声を、心拍数モニタを装着した別のヤギに聞かせた。その結果、声の性質が変化したときにヤギが強く注意を向けることがわかり、違いに気付けることをうかがわせた。また、喜んでいる声を聞くと、心拍と心拍の間隔の変動(心拍変動)が大きくなるという相関がみられた。哺乳類にとって心拍変動が大きいのは、満足した状態にあるサインだ。

参考ギャラリー:クローズアップで見る動物の目 多様性に驚き、写真20点(画像クリックでギャラリーへ)
ヤギ(Capra aegagrus hircus)の目。(PHOTOGRAPH BY DAVID LIITTSCHWAGER, NAT GEO IMAGE COLLECTION)

次ページ:「不満な声」に長く反応

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