再び世界最大の火山となった米ハワイ州のマウナロア。
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 かつて、米国ハワイ州にある面積5200平方キロメートルのマウナロア山は世界最大の火山と言われていた。しかし2013年に発表された論文で、日本の東の海底にマウナロアをはるかにしのぐ、面積約30万平方キロメートルという世界最大どころか太陽系最大級の火山があると報告された。(参考記事:「太平洋の海底で世界最大の火山を発見か」

 ところが、その論文の著者がタム山塊を再び調査したところ、どうもこれは単一の火山ではないようだという結論に達した。最新の論文は、7月8日付で科学誌「Nature Geoscience」に発表された。

「大変素晴らしい。科学とは、本来こうであるべきです」。米オレゴン州にある米海洋大気局(NOAA)太平洋海洋環境研究所の海底地質学者ビル・チャドウィック氏は言う。「証拠が指し示す方向へ行ってみることです。たとえその証拠が、これまで自分の信じていたことと矛盾するとしても」。なお、氏はこの研究には参加していない。(参考記事:「科学のお作法」

 2013年の論文も今回の論文も、筆頭著者は米ヒューストン大学の海洋地球物理学者ウィリアム・セーガー氏だ。そのセーガー氏の研究チームが行った再調査によると、タム山塊は単一の火山ではなく、海の地殻が次々に折り重なってできた巨大な地形であるという。現在のところはっきりとした説明はつかないが、単一の火山よりももっと奇妙な何かであるようだ。

 本質的には、「世界最大ではないにしても、驚くべき地形です」と、セーガー氏は述べている。

次ページ:なぜ世界最大の火山とされたのか

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