指が異様に長い太古の鳥を発見、新種、前代未聞

現代の鳥に見られない特徴、恐竜時代に発達した理由は?

2019.07.17
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足の指に触覚機能か

 エレクトロルニスの足の指がこれほど長かった理由について、興味深い手がかりが1つある。琥珀に閉じ込められた足には、周囲の皮膚と羽毛が少し残っていたが、その中に、足のうろこに生えたフィラメント状の繊維が見られたのだ。現生の鳥にも同じような見た目の構造があり、動物のひげのように機能して、飛んでいる昆虫や気流のわずかな変化を感じ取るのに役立っている。指の用途が何であれ、エレクトロルニスはこの部位の触覚に頼っていたのだろう。

 エレクトロルニスはその特徴的な指で樹皮の下の虫を探っていたというのが、今のところ最も有力な見方だ。マダガスカル島のキツネザル、アイアイは長い指で木の中から幼虫などを素早く取り出すが、その小鳥バージョンに近い。(参考記事:「動物たちの奇妙な手:アイアイ」

新たに発見されたエナンティオルニス類の足。ミャンマー産の琥珀の塊に閉じ込められた状態で見つかった。(IMAGE BY LIDA XING)
新たに発見されたエナンティオルニス類の足。ミャンマー産の琥珀の塊に閉じ込められた状態で見つかった。(IMAGE BY LIDA XING)
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「かなり単純化した推測なのは承知ですが、正直なところ、今はこの足の化石しかないので」とオコナー氏は話す。「触覚機能がある羽毛はとても多く、この琥珀の鳥も、触覚のある剛毛のような不可解な羽毛を足全体に生やしていることと、長い指を考え合わせると、この2つが組み合わさり、アイアイによく似た何らかの採集に使われていたと考えるのは理にかなっています」

 カナダ、トロントにあるロイヤル・オンタリオ博物館で鳥類学を担当する次席学芸員、サンティアゴ・クララムント氏は、妥当な解釈だとコメントしている。現生の鳥の中にも、腐った木をつついて虫を探すものがいる。こうした鳥が使うのは特殊なくちばしだ。

「今回記載された原始的な鳥には歯がありました。また、口吻は今の鳥とは違い、もっとトカゲに近い形でした」とクララムント氏。「おそらく、非常に細長くカーブした口吻を発達させるという選択肢がこの太古の鳥には不可能だったので、長い指は生態学的には同じ機能をもっていたのかもしれません」

 今後、さらに化石が見つかれば、エレクトロルニスがどう生活していたか明らかにするのに役立つだろう。例えばクララムント氏は、この鳥の頭骨、尾骨、胸骨をぜひ見たいと考えている。もし見つかれば、どんな風に餌を食べていたのか、単に木の枝に止まるだけでなく、幹を登ることができたのかを示す助けになるはずだ。しかし今のところ、足だけでも十分に興味深い。一方、オコナー氏は、琥珀に入った未発表の不思議な発見がまだあると示唆している。

「現在の鳥は多様ですが、指が長いというこの独特な形態は利用されていません。間もなく発表予定の他の琥珀標本によって、この点は実に面白くなるでしょう」とオコナー氏は話す。

次ページ:ミャンマーの琥珀事情

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