指が異様に長い太古の鳥を発見、新種、前代未聞

現代の鳥に見られない特徴、恐竜時代に発達した理由は?

2019.07.17
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恐竜時代の絶滅した鳥、エナンティオルニス類の新発見の種。イラストに見られるように、足の第3趾(中趾)が異様に長かった。現時点では、マダガスカル島のアイアイが長い中指でするように、樹皮の中を探って餌を取るのに指を使っていたと考えられている。(ILLUSTRATION BY ZHONGDA ZHANG)
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 9900万年前のミャンマーにタイムトラベルできるなら、エナンティオルニス類と呼ばれる鳥が森で羽ばたいているのを見られるだろう。現生の鳥類に近い、歯を持つ鳥たちだ。その中に、今のスズメのような鳥がいるのが目に入るかもしれない。だが、その足の指は奇妙に長い。こうした適応は、絶滅した鳥にも現生の鳥にも見つかったことがない。

 7月11日付で学術誌「Current Biology」に発表された論文によると、新種の鳥「エレクトロルニス・チェングアンギ(Elektorornis chenguangi)」は、6グラム足らずの琥珀に閉じ込められた状態で見つかった。樹液が死骸の上に流れ出たらしく、化石化した樹脂の塊の中に、右の後ろ脚の一部が保存されている。時間経過にともなう腐敗の兆候はあるものの、化石は鳥の足の構造を保っていた。中でも目を引くのが、飛び抜けて長い中趾(鳥のいわゆる中指)だ。

 もし人間の手がエレクトロルニスの足と同じ比率だった場合、中指は人差し指の1.6倍の長さになる。このずいぶん奇妙な比率にどういう機能があるのか、今のところ科学者たちは首をかしげている。

「最も興味深いのは、これがもはや存在しない特徴だという点です。現在では9000種から1万8000種の鳥が生息しているというのに」。論文の著者で、中国科学院古脊椎動物・古人類研究所(IVPP)の古生物学者ジンマイ・オコナー氏はこう語っている。(参考記事:「新説「恐竜絶滅」を生き延びたのは地上の鳥だった」

 しかも、エレクトロルニスは琥珀に閉じ込められた化石から記載された、鳥としては初めての属だ。鳥の死骸が入っている琥珀はほかにも見つかっているが、不完全だったり、科学者たちが属レベルで特定できるほど明瞭ではなかったりした。ところが、エレクトロルニスは違った。その足はほかの種とははっきり違い、分類を明らかにするのに十分だった。(参考記事:「恐竜時代の鳥の翼、琥珀の中でありのまま保存」

 もう1人の著者で、中国地質大学の古生物学者リダ・シン氏は、「琥珀の研究にとって非常に重要です」とEメールで語った。ナショナル ジオグラフィック協会のエクスプローラーでもあるシン氏は、エレクトロルニスを「新たな媒体から現れたまったく新しい動物」と呼んでいる。

次ページ:足の指に触覚機能か

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