【動画】犬に指示できる振動装置付きベストを開発

遠隔操作式のバイブレーターを内蔵、様々な状況で活用できる可能性

2019.07.11
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【動画】振動するベストを着用し、「回れ」「伏せ」などの無言の指示に反応する犬。(字幕は英語です)

「老いた犬に芸は仕込めない」と言われるが、少なくとも中年の犬「タイ」は、新しい「芸」をみごとに習得してみせた。

 ラブラドール・レトリバーとジャーマン・シェパードのミックスで6歳のタイは、イスラエルのネゲブ・ベン=グリオン大学の研究チームが開発したバイブレーター内蔵の犬用ベストを着用。聴覚的、視覚的な合図を出さなくても、振動に従って指示通りに回転したり、体を伏せたり、前進、後退したりできたのだ。

 7月9日から東京で開催された「IEEEワールド・ハプティクス・カンファレンス」で、ベン=グリオン大学のチームは研究成果を発表し、バイブレーターの振動は声による指示と同じくらい効果的だと報告した。もちろん、タイの好物であるソーセージをご褒美に与えたことも、短時間で指示を覚える助けになっている。

 ハプティクスとは触覚に関わる技術のことで、研究を率いたヨアブ・ゴラン氏は、振動する犬用ベストには実用的かつ重要な用途があると説明する。氏はベン=グリオン大学の博士課程で機械工学の研究に取り組んでいる。タイは活発すぎた子犬時代に盲導犬の試験に落ち、ゴラン氏はそのとき、タイの飼い主になった。

「働く犬たちとのコミュニケーションは今も、視覚的、聴覚的なものが大部分を占めている」と、ゴラン氏らがカンファレンスで発表した論文に書かれている。しかし、救助犬や探知犬はしばしば、がれきの下や狭い空間など、人が見えないところ、人の声が届かないところで働く。遠隔操作できるバイブレーター内蔵のハプティック・ベストを着用させれば、そのような状況でも、人が犬に指示を与えられる。また、振動による指示は音を立てられない状況にも適している。

 警察犬や軍用犬が騒々しい場所で任務にあたる場合も、ハプティック・ベストは有効かもしれない。例えば、銃声が鳴り響く交戦地帯では、声によるコミュニケーションは難しい。人はもちろん、犬たちも、「航空機のごう音が聞こえるような状況では、イヤーマフで耳を守ることがあります」とゴラン氏は話す。(参考記事:「犬は雑音の中でも自分の名前を聞き取れる、新研究」

次ページ:「犬のトレーニングに恩恵をもたらすでしょう」

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