ギリシャ、ナクソス島へ地元料理を食べに行こう

地中海、独特の風土が生み出す「鶏煮込みパスタ」ほか

2019.08.03
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ナクソス島の中心街「ホラ」。ギリシア領キクラデス諸島最大の島ナクソス島は、独特の地勢に育まれた豊かな料理遺産のふるさとである。(Photograph by Rainer Hackenberg, Redux)
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 フェリーから吐き出される人込みを押し分けて遊歩道を進めば、店の軒先には干しダコがぶら下がっている。遊歩道を通り抜け、店や屋外レストランが並ぶ、迷路のような路地に足を踏み入れよう。そこがギリシャ、ナクソス島の中心街、ギリシャ語で「ホラ」と呼ばれる地区だ。

 アテネの南東、フェリーで4時間の距離にあるナクソス島は、近隣のミコノス島やサントリーニ島の雑踏を避けたい人には最適な、静かな島。キクラデス諸島最大の島であり、一切の食糧を外部に頼らず、島内で生産することができる唯一の完全自給の島だ。住民は、緑に覆われ、変化に富んだ428平方キロメートルのこの地を数千年にわたって耕作してきた。今日では、年間数十万人の観光客が美食を楽しみに訪れる。(参考記事:「古代ギリシャの魅力 エーゲ海のキクラデス諸島」

 ギリシャ神話によれば、酒の神ディオニュソスがナクソス島に豊穣の恵みをもたらしたとされる。確かに、島の豊かな風景を見ていると、この土地ならではの料理に期待が膨らむ。天然の港がなく、漁は盛んではない。だが、牛が海岸の草を食み、放し飼いの山羊や羊が岩山に生えたオレガノやタイムを噛み、雄鶏やウサギが地元の野菜がたっぷり含まれた堆肥を好きに食べ回っている。乾燥してやせた土地の多いキクラデス諸島の中では珍しく、ナクソス島ではチーズ、肉、バター、ジャガイモ、オリーブオイル、ハチミツ、スパイスや、ミカン属の植物シトロンの葉と果実から作られる地酒「キトロン」が豊富に生産されている。(参考記事:「古代ギリシャ 満天の神々」

 島の住民は、この自然の力強い風味を生かして、美味しい料理を作る。塩などほとんど必要ないほどだ。素晴らしい伝統料理はナクソス島の中心街でも見つかるが、曲がりくねった崖の上の道路を使ってでも山村の地方文化が色濃く残る食事を楽しまないのはもったいない。(参考記事:「ギャラリー:ヨーロッパの美しい、魔法のような村 19選」

ナクソス島の伝統料理、「ココラス・メ・マカロニア」(赤いソースで蒸し煮にした雄鶏)は、伝統的な家族経営のタヴェルナで食べるのがいちばん美味しい。(Courtesy Vioma Naxos)
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ぜひ食べたい料理

ココラス・メ・マカロニア(赤いソースで蒸し煮にした雄鶏):ナクソス島の雄鶏は起伏のある縄張りを歩き回るため筋肉が発達しており、その硬い肉を調理するには時間がかかる。これを赤ワインとトマトでコトコト数時間煮込んだ贅沢なソースを、茹でたてのスパゲティにかける。島のどこにでもある料理だが、「タヴェルナ」と呼ばれる村の小さなレストランで食べるのが最高だ。アノポタミア村の「ピギ」やコロノス村の「マティーナ&スタヴロス」に行ってみよう。

次ページ:野ウサギの蒸し煮、地酒クルミケーキ

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