ペットを自然に放してはいけない、その理由

エキゾチックペット取引が絶滅危惧種を増やしている

2019.07.11
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原産地のブラジルにいるアルゼンチンテグー(学名Salvator merianae)。テグーは米国で人気のペットだが、逃げ出したり放されたりした個体が野生化し、侵入種となっている。(PHOTOGRAPH BY BERND ROHRSCHNEIDER, MINDEN PICTURES)
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 6月10日、米マサチューセッツ州環境警察(同州で環境やレクリエーションを管轄)は変わった通報を受けた。「自宅の裏庭に約1メートルのトカゲがいるというのです」と、同警察のタラ・カーロー警部補は振り返った。

 マサチューセッツ州チコピーにある現場に到着した警察官が目にしたのは、不機嫌そうな顔をしたこの家の住人と、大型のトカゲ、アルゼンチンテグーだった。南米各地の熱帯雨林や平原が原産のトカゲで、体長1.2メートルを超えることもある。

 だが、それがチコピーに現れても、カーロー氏は驚かなかった。「この手の通報は、年に1回はあります」

 マサチューセッツ州ではアルゼンチンテグーは広く売られており、一般の人が所有するのに許可はいらない。テグーは脱走の名人だとカーロー氏は言い、逃げ出したテグーが見つかるのも決して初めてではない、と続けた。

理解しないまま購入する人々

 どういう事態が起こるか理解しないままエキゾチックペット(風変わりな野生動物のペット)を購入する人が少なくないと、カーロー氏は指摘する。テグーのほかニシキヘビやオウム、フクロモモンガなど、多くの動物がエキゾチックペットとして売られているが、中には20年以上生きるものもいる。長命のエキゾチックペットを世話するには費用がかかるうえ、危険な場合もある。飼われることに慣れていない動物は、予想外の行動に出ることがあるからだ。非営利団体「ボーン・フリーUSA」によると、1990年以来、米国で少なくとも300人がエキゾチックペットに襲われている。

 エキゾチックペットが脱走したり、飼い主が野生に放したりするのはそういう理由だ、とカーロー氏は話した。(参考記事:「【動画】絶滅危惧のスローロリス、ペットから森へ」

 だが、ペットが野に放たれると、大きな問題を引き起こしかねない。自由になった動物が繁殖し、「侵略的外来種」と化す可能性があるからだ。侵略的外来種とは、外来生物のなかでも、その土地の自然で繁殖することで、本来の生態系を脅かしてしまう生物を指す。

参考動画:侵略的外来種とは
世界経済に毎年1兆ドルを超す損失を与えるとも言われる「侵略的外来種」。在来ではない生物がどのように生態系に持ち込まれるのか、地域社会にどう影響するのか、導入阻止のためにどんな対策が取れるのか見てみよう。(解説は英語です)

次ページ:生物多様性喪失の2番目に大きな原因

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