発電所、CO2目標を達成するにはすでに多すぎ、研究

既存施設の今後の排出量を試算、控えめに見ても超過

2019.07.04
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米国ミシガン州、リバー・ルージュにあるDTEの石炭火力発電所。(PHOTOGRAPH BY AMI VITALE, NAT GEO IMAGE COLLECTION)
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 発電所や工場、車両、建物。新たな研究によると、化石燃料を燃やすこれら既存の設備や装置が耐用期間いっぱい稼働するだけで、世界の平均気温はパリ協定の努力目標である1.5℃を超えて上昇することがほぼ確実だという。7月1日付けで学術誌「ネイチャー」に論文が発表された。(参考記事:「化石燃料は不可?――最新温暖化研究の驚くべき提言」

 研究の結果は衝撃的だ。気温の上昇を1.5℃にとどめるには、化石燃料を燃やすインフラをこれ以上作ってはならないだけでなく、予定を早めて閉鎖すべき場合もあるという。だが、現在建設中あるいは計画中の発電所も多いのが実情だ。(参考記事:「地球温暖化、目標達成に残された道はギャンブル」

 論文の共著者で、米カリフォルニア大学アーバイン校のスティーブン・デイビス氏は、「私たちの研究はこれ以上ないくらいシンプルです。知りたかったのは、2018年時点で、これ以上化石燃料を燃やす設備を作らなければどうなるか、ということです」(参考記事:「世界の発電所のCO2排出量を初算出」

これからの排出量を試算

 この問いに答えるためにデイビス氏らが調査したのは、電気、エネルギー、交通、住宅、商業などのインフラ設備が2018年時点で排出する二酸化炭素の総量だ。そして、各設備の平均的な稼働年数をもとに、こういった施設や装置から今後排出される二酸化炭素の総量を見積もった。

 たとえば、新しい石炭火力発電所なら、耐用年数を迎えるまでの40年間、毎年数百万トンの二酸化炭素を排出する。毎年4トンの二酸化炭素を排出する新車であれば、耐用年数を15年とみると、総排出量は合計60トンとなる。一部の二酸化炭素は森や海に吸収されるが、大半は大気中に残る。そして、これを回収する技術を使わない限り、数百年にわたって熱を蓄え続ける。

 デイビス氏らの見積もりによれば、既存インフラがその一生のうちに排出する二酸化炭素量を合計すると、約6580億トンになるという。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、温暖化を1.5℃以内に抑制する確率を50%以上にするには排出量を5800億トン未満に抑えなければならないと算出しているが、これを780億トン上回っている。

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