絶滅したハイエナChasmaporthetes属の想像図。このChasmaporthetes属の化石が北極圏で初めて見つかり、ユーラシア大陸で進化したハイエナが更新世、北米大陸に渡った経緯が明らかになろうとしている。(ILLUSTRATION BY JULIUS T. CSOTONYI)
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 かつて、ハイエナは極寒の北極圏にも暮らしていたことが、カナダ北西部で発見された歯の化石から判明した。ハイエナたちは約100万年前の草原でトナカイやマンモスを捕まえたり、それらの死肉を食べたりしていたようだ。

 オンラインジャーナル「Open Quaternary」に6月18日付けで発表された論文によると、1970年代にカナダのユーコン準州オールドクロウ川流域で発掘された化石2点は、これまでで最も北に位置するハイエナの痕跡だという。従来は同地から約4000キロ南下した米国カンザス州の化石が最北端だった。(参考記事:「マンモスは植生の変化で絶滅?」

 ユーコン準州で発掘された歯の化石はいずれも、絶滅したハイエナの仲間Chasmaporthetes属の個体。この絶滅ハイエナは、140万年前から80万年前にかけて、今より過酷だった北極圏に暮らしていたと考えられている。

 研究を率いた米ニューヨーク州立大学バッファロー校の古生物学者ジャック・ツェン氏は「これらの化石が発掘されたことで、ハイエナがいたとみられる地理的、生物学的な生息域が広がりました」と話す。この発見は同時に、古代のハイエナがユーラシア大陸から極寒のベーリング地峡を渡って北米大陸に達した証拠でもある。

「旅を終えて息絶えたかもしれませんが、一帯を通過していたことは確かです」

先史時代には70種のハイエナがいた

 現生のハイエナは4種で、生息域はほぼアフリカだ(一部アジアにも生息)。低地の暖かく乾燥した環境に適応している。しかし、先史時代には約70種のハイエナが生息し、北半球の全域に分布していたことが知られている。(参考記事:「ハイエナは邪悪? 5つの都市伝説を検証する」

「現生種だけを見ても、ハイエナの多様性の10%以下しかわかりません」とツェン氏は話す。

【動画】ハイエナ:アフリカの優秀は捕食者
ハイエナは悪者扱いされているかもしれないが、アフリカ大陸で最も繁栄している捕食者の一つだ。(解説は英語です)

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