奇妙な新種ワニの化石を発見、雑食だった?

9600万年前、古代のワニの多様性を示す貴重な例、北米

2019.06.12
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ハイギョを食べる古代ワニの新種Scolomastax sahlsteiniの復元図。現代のクロコダイルよりも小さく、およそ9600万年前、今のテキサス州アーリントンにあたる広大な河川デルタに暮らしていた。(ILLUSTRATION BY BRENTON ADRIAN)
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 9600万年ほど前、現在のテキサス州ダラス郊外は緑豊かな三角州の一部だった。そこにはカメ、恐竜、魚類のほか、いまのワニによく似た姿をしながらも、食性はオポッサム(フクロネズミ)のような雑食という、奇妙な生きものが暮らしていた。(参考記事:「動物大図鑑:オポッサム」

 そんな古代のワニを発見したという論文が、6月7日付けの学術誌「The Anatomical Record」に発表された。現代のクロコダイルやアリゲーターも含む「クロコダイル型類(crocodyliform)」の新種で、Scolomastax sahlsteiniと命名された。

 体長は90センチから180センチほどまで成長し、右下顎の形状からは、ほかのワニ類と比べて歯の数が少なかったことがわかる。また、いくつかの異なる形の歯を持っていたようだ。(参考記事:「復元された頭部、新種の古代ワニ」

 こうした特徴は、硬い食べものを噛み砕いたり、さまざまなものを食べたりする動物に見られる。つまり、彼らは雑食だったようだ。一方、現代のワニの仲間は肉食で、水辺で獲物に待ち伏せ攻撃を仕掛けることを得意とする。

「彼らはどうやら、現代のワニの仲間には見られない特徴を持っていたようです」。論文の筆頭著者である米ウィスコンシン大学パークサイド校の古生物学者クリストファー・ノト氏はそう語る。「現生のクロコダイルやアリゲーターは“生きた化石”ではありません。単に生き延びたものたちです。古代に生きていた仲間が持っていた多様なライフスタイルのうち、ごく一部しか彼らは体現していないのです」

次ページ:「記録の大きな空白を埋めてくれます」

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