鳥はお金持ちが大好き 最新研究で判明

所得水準が高い人が住む地域には、多様な鳥が集まる正の相関があった

2019.06.06
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ギャラリー:ポートレートは生命の記録(画像クリックでギャラリーへ)
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母親の背中に乗る赤ちゃん。肉やうろこ目当ての密猟が後を絶たない。米フロリダ州セントオーガスティンにある保護団体の施設で撮影された。 Photographs by Joel Sartore

都市部での保全には住居の調査も必要

 チェンバレン氏は「南アフリカがこうした研究に適している」と語る。その理由は「所得格差が大きく、都市部も急速に拡大しているから」(同氏)だ。 (参考記事:「都市を衰退させた「スプロール化」を阻止できるか」

 この研究では、「第2回南アフリカ鳥類地図帳プロジェクト」(ボランティアが特定地域で目撃した鳥の種類を報告する市民参加型プロジェクト)のデータを活用している。チェンバレン氏と、ケープタウンやヴィトヴァーテルスラントの大学に所属する研究者らは、このデータを基にして、22の都市部で在来種の鳥類の多様性を調べた。

 その結果、都市部と農村部の境界でも郊外でも、所得水準の高い住人が多い地域ほど、緑地も在来種の鳥も多様性に富むことがわかった。 (参考記事:「研究室 鳥類学者が選んだ「すごい鳥」たち」

 一方、人口密度が高い都市中心部では、これとは違う現象が見られた。草木があっても、アフリカチュウヒやズアカコシアカツバメばかりが多く見られたのだ。

 定量分析の結果、「ぜいたく効果」が見られるのは、エリアに占める舗装道路や住宅の割合が「38パーセント」以下だと分かった。

「この数字がはっきりしたことは重要です」と語るのは、「ぜいたく効果」を研究する米カリフォルニア科学アカデミーの昆虫学者、ミシェル・トラウトワイン氏だ。同氏は、2016年の研究で、米ノースカロライナでは、所得が高い住宅のほうが、ほかの住宅に比べて昆虫の種が多様であることを突き止めている。 (参考記事:「豊かな家ほど虫も豊富、虫にも“ぜいたく効果”」

「非常に説得力のある研究です。特にすばらしいのは、定量的に分析を行っていることです。もちろん、緑地をどの程度増やせばいいか分かることと、実際にどう実現するのかは、別の問題になりますが」と同氏は話す。

 米マサチューセッツ大学の都市生態学者、ページ・ウォレン氏は、「都市環境理解には、科学者も多様なアプローチが必要なことを示した研究だと思います。鳥がどこにいるかを把握しようと思ったら、実は人間の居住環境がどうなっているかも併せて調べないとならない、ということです」

オリーブバト。南アフリカ、モンタギュー峠で撮影。(PHOTOGRAPH BY RICHARD DU TOIT, MINDEN PICTURES)
オリーブバト。南アフリカ、モンタギュー峠で撮影。(PHOTOGRAPH BY RICHARD DU TOIT, MINDEN PICTURES)
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文=CARRIE ARNOLD/訳=北村京子

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