米イエローストーン国立公園のグリズリーの母子。(PHOTOGRAPH BY TOM MURPHY, NAT GEO IMAGE COLLECTION)
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 夏は米国の国立公園が人で賑わう季節だ。この時期は野生動物と遭遇する機会も多くなり、同時に動物と接触してけがをする人が増加する。最悪の場合、命を落とすこともある。 (参考記事:「人はなぜ危険を冒して動物と写真を撮るのか?」

 クマやバイソンに対しては警戒すべきだと思わない人はいない。でも、小型の哺乳動物であっても、安全とは限らないことを私たちは忘れがちだ。

「グランドキャニオンでけがをする原因としてもっとも多いのが、リスに噛まれることです」。米国立公園局の広報担当者、キャシー・カッパー氏は話す。

 国立公園内では、あらゆる種類の野生動物への接近、虐待、給餌が違法だ。「動物の大きさや、おとなしいかどうかは関係ありません。野生動物と接するときの原則です」

一番重要なルール

 2008年から2015年の間に、米国で動物が原因で亡くなった人は1160人にのぼる。一番多いのは、家庭で飼われるイヌなどのペット、次いでスズメバチ、ヘビなどの毒を持つ動物によるものだ。 (参考記事:「【動画】間一髪!チーターに追われて逃げる家族」

 動物が原因の事故はひんぱんに起こるものではないが、基本的なガイドラインを守れば、その危険性を減らすことは可能だ。一番重要なルールは、野生動物との間に十分な距離を保つことだ。

 カッパー氏は言う。「野生動物があなたの動きに反応するようなときは、動物との距離が近すぎます。動物と自撮りするような距離は、もちろん近づき過ぎです」

 野生動物とのトラブルを防ぐには、よく知らない場所に行く場合、その場所にどんな野生動物が生息しているかを調べておくことも重要だ。

 例えば、米国のサウスカロライナ州、フロリダ州、テキサス州。ここには、大きい個体だと全長4.6メートル、体重450キロにもなるワニ、アメリカアリゲーターが生息する。最上位捕食者であるアリゲーターは、獲物を激しく損傷させる力があり、ときには人間も襲う。

参考ギャラリー:思わず笑ってしまう野生動物の写真17点(画像クリックでギャラリーページへ)
そこで止まれ! 静かにしていろとジェスチャーするリス。米フロリダ州で撮影。(PHOTOGRAPH BY MARY MCGOWAN, CWPA/BARCROFT IMAGES)

次ページ:どこまで近づける? 何が危険な行為?

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