腹部に空気をつけて運ぶミズグモ。銀色に光って見える。(PHOTOGRAPH BY HEIDI AND HANS-JURGEN KOCH, MINDEN PICTURES/NAT GEO IMAGE COLLECTION)
[画像をタップでギャラリー表示]

 あなたは「泡」を何に使うだろうか?

 人間だったら、シャンパンの炭酸や入浴剤などが思い浮かぶかもしれない。しかし、ある種の生き物たちにとって、泡は生き残るための重要な手段だ。泡を使う生き物は陸上にも水中にもいて、狩りの成功率を高めたり、水中で「乗り物」として使ったりしている。

 生き物たちが発展させてきた、独創的な泡の利用法の一部をご紹介しよう。

空気タンク

 ミズグモは、水中で生活する唯一のクモ。しかし、生きるためには、やはり酸素が必要だ。

「空気の供給を確保するため、まず水草の間に糸を張ってタンクを作ります」と、トリニダード島にある西インド諸島大学のクモ学者ジョ=アンヌ・ソーラル氏は話す。

 その後、クモは水面に浮上し、腹部の毛に気泡を閉じ込めタンクまで泳いで戻り、気泡を糸で作ったタンクに移し替える。必要に応じてこれを繰り返し、この「水中ドーム」に空気を補充する。

 このドームは一種の多目的室であり、食事や脱皮、産卵、交尾、子育てにも使われる、と同氏は話す。

泡の漁網

 群れで協力して狩りをするザトウクジラは、噴気孔から泡を出し、オキアミやニシンなどの獲物に対して大きな包囲網を作る。(参考記事:「【動画】ザトウクジラが桟橋前で大口開け食事」

 1頭が獲物の群れを囲い込むように泳ぎ、泡を出して水面の近くへ追いやるのだと、米カリフォルニア大学サンタクルーズ校の准研究員アリ・フリードレンダー氏は言う。

バブルネットを作り、狩りをするザトウクジラ。この行動は、アラスカ沖でよく見られ、研究されている。(PHOTOGRAPH BY BRIAN J. SKERRY, NATIONAL GEOGRAPHIC)
[画像をタップでギャラリー表示]

「別の1頭が群れの下をふさぎ、缶の底のような役割をします」と同氏は話す。「魚はその場にとどまります。バリアの向こうに何が待ち構えているのかわからない場合、動物はバリアを越えようとはしないのです」

次ページ:におい探知器や隠れみのにも

ここから先は「ナショナル ジオグラフィック日本版サイト」の会員の方(登録は無料のみ、ご利用いただけます。

会員登録(無料)のメリット

  • 1ナショジオ日本版Webの
    記事が全て読める
  • 2美しい写真と記事を
    メールマガジンでお届け

おすすめ関連書籍

PHOTO ARK 動物の箱舟

絶滅から動物を守る撮影プロジェクト

世界の動物園・保護施設で飼育されている生物をすべて一人で撮影しようという壮大な挑戦!

定価:本体3,600円+税