アマゾン創業者も参入、月面計画に各国が殺到

10年以内に月をめざす国や企業は10以上、最新情報まとめ

2019.05.13
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2019年1月の試験飛行で発射台から飛び立つ米ブルー・オリジン社の「ニュー・シェパード」ロケット。(PHOTOGRAPH BY NASA)
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 人類初の月面着陸から50年。米アマゾン創業者であるジェフ・ベゾスCEOと、彼が設立した宇宙企業ブルー・オリジンが、月面への着陸、滞在という新たなビジョンを発表した。(参考記事:「「月から昇る地球」、世界を変えた撮影から50年」

 米国ワシントンDCで開かれた招待者限定のプレゼンテーションで、ベゾス氏は、人類の持続可能な成長のために、重工業は地球から離れて太陽系内のほかの天体の資源を利用できるようにする必要があると主張した。それはたとえば、月の南極にあるシャクルトンクレーターの鉱物や氷だと言う。(参考記事:「ついに月の資源争奪戦が始まった、日本の動きは?」

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「私たちは地球という宝物を守らなければなりません。代案はありません」とベゾス氏。「地球を救い、子孫から将来の活力と成長を奪わないようにしなければなりません。両方を実現することは可能です」

 短期的に必要な宇宙インフラは企業が建設する必要があると、ベゾス氏は考えている。同氏がステージ上で「ブルー・オリジンは無人月着陸船『ブルームーン』を開発中です」と語ると、黒いカーテンが引かれ、ブルームーンのフルサイズ模型が現れた。

 ベゾス氏の説明によると、ブルームーンの燃料は液体水素で、月面までの貨物の積載量は最大6.5トン。海軍からヒントを得た貨物システムで、いちどに最大4台のローバー(月面探査車)を送り込むことができる。ブルー・オリジン社はこのプロジェクトのために、マサチューセッツ工科大学、ドイツの航空宇宙企業OHB、エアバス社と契約を結んでいる。

 ベゾス氏もブルー・オリジン社も、ブルームーンの初飛行の時期について具体的に言及することはなかった。ブルームーンの打ち上げに用いる同社の「ニュー・グレン」ロケットの初飛行は2021年に予定されている。けれどもベゾス氏は、NASAが2024年までに計画している有人月面探査に、ブルームーンを基にした新しい着陸船が協力できるだろうと考えている。(参考記事:「億万長者たちの宇宙開発競争 勝つのは誰?」

「とても気に入っています。こういうことをやりたいのです」とベゾス氏は言う。「私たちが協力することができるのは、3年前にプロジェクトを始めていたからなのです」

 月面の探査や利用をめざしているのはブルー・オリジン社だけではない。この先10年ほどの間に月をめざす主な国家や企業を紹介しよう。

次ページ:米国、中国、インドの計画

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