火星の地震を初観測、なぜ起こる?何がわかる?

M2〜2.5で揺れは10分継続、火星探査機インサイトの最初の成果

2019.04.26
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火星で観測するNASAの火星探査機インサイトのイメージ図。NASAの発表によると、インサイトは火星内部で発生したと思われる震動をとらえたという。火星の地震が記録されたのはこれが初めてだ。(ILLUSTRATION BY NASA/JPL-CALTECH)
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 米航空宇宙局(NASA)の火星探査機「インサイト」が、火星の地震を初めて観測した。何千万kmも離れた地球の地震学者たちがこの発見に沸き立ち、火星研究は新たな時代に突入した。

 4月6日に記録されたかすかな震動は、風などによる地表の揺れではなく、火星の内部から来たものだと考えられている。地震によるものだとすれば初の記録であり、研究者たちは震動の原因を正確に特定すべく、引き続きデータを解析している。

 検出された地震波はかなり小さく、マグニチュード2~2.5に相当する。地球の地震であれば、地表ではかろうじて知覚できる程度の揺れだ。しかし、2018年12月に火星表面に地震計を設置し、数週間前から正式に観測を始めていた科学者にとっては、この小さな震動には非常に大きな意味がある。(参考記事:「火星着陸へ、NASAの探査機インサイトを解説」

【動画】インサイトが初めてとらえた火星の地震とみられる震動を音声化したもの。(解説は英語です)

「最初の1カ月は、『まだ大丈夫、問題なし』と見守っていました」とNASAのインサイト・ミッションの主任研究者ブルース・バナート氏は語る。「2カ月目になるとさすがに、『いつでもいいぞ、さあこい、早く見せてくれ』という気持ちになっていましたね」

「昼も夜も、暇さえあればメールをチェックしていました」と打ち明けるのは、NASAのマーシャル宇宙飛行センターの惑星科学者でインサイトの共同研究者であるレネ・ウェーバー氏だ。「毎朝、目が覚めるとベッドの中でスマホを見て、『今日こそ最初の地震をとらえる日になるかもしれない』と期待しながら出勤するのです」

 インサイトの着陸から128火星日(131地球日)後、ついにかすかなシグナルが届いた。研究チームは早速、解析に取りかかり、地震である可能性が十分に高いと判断した。「チームからは安堵のため息が出ました」とバナート氏は振り返る。(参考記事:「火星に着陸成功、探査機はこれから何をする?」

「私は約30年間も火星の地震を追いかけてきました」と彼は言う。「私にとって、研究生活の頂点といえる瞬間でした。1980年代から夢見てきたデータが、ついに手に入るようになったのです」

参考ギャラリー:探査機が撮った火星の絶景写真36点(画像クリックでギャラリーページへ)
火星探査車キュリオシティの自撮り写真。(PHOTOGRAPH BY NASA, AP)

次ページ:火星の地震はどうやって起こるのか

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