米大陸の熱帯から亜熱帯に分布するオオゴチョウ(Caesalpinia pulcherrima)のイラスト。コーネル大学図書館の稀覯本写本コレクションに所蔵されていたアン・ウルストンクラフトの手描き原稿に含まれていたもの。

 米国ニューヨーク州北部で、190年間失われていた手描きのイラスト原稿が発見された。3巻に渡るイラスト集には、カリブ海の国キューバに生育する様々な植物が色鮮やかに描かれていた。(参考記事:「130年前の星座盤が仕掛け満載でスゴイ 写真10点」

 マーブル模様の表紙を開くと、扉に手書きの筆記体で「Specimens of the Plants & Fruits of the Island of Cuba by Mrs. A.K. Wollstonecraft」(A・K・ウルストンクラフトによるキューバの植物と果実の標本)と書かれている。手稿は経年による摩耗がみられるものの、その内容は飾り気のない外見からは想像できないほど充実していた。

 121枚のイラストにはどれも、深い紫色のサルスベリや黄色のキダチチョウセンアサガオといった花々が細かい部分まで見事に描き込まれている。(参考記事:「電子顕微鏡で見るハーブ、驚きの世界 写真5点」

 これに加えて、関連する歴史的事実、現地での利用法、詩、個人的な観察記録などが英語で220ページにわたってつづられている。イラストは科学的慣習に忠実に従い、植生、植物の一生、生殖部の断面図が描かれていた。押し花がテープで貼り付けられているものもあった。図鑑を作ったウルストンクラフトは、植物学者の助言も得ず、誰からも支援を受けなかったと、断り書きを残している。

「キューバの植物に関する文献の宝です」とは、キューバ人植物学者ミゲール・エスキベル氏の弁だ。そして、近年まれにみる偉大な発見であると語る。

ギャラリー:190年前の「失われた」植物図鑑 手描きの植物画 13点(画像クリックでギャラリーへ)
落葉樹のインドソケイ(Plumeria rubra)は中米が原産だが、今は世界中の熱帯地域に分布している。(PHOTOGRAPH BY ROBERT CLARK)

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