コウモリ
マダラコウモリ(Euderma maculatum)など、巨大な耳でかすかな音を感知するコウモリもいる。米オハイオ州立大学の行動生態学者ジェラルド・カーター氏によれば、なんと「昆虫の足音」までわかるのだという。
大きな耳は、反響定位(エコーロケーション)、すなわち超音波を発し、その反響によって獲物の存在を探知する能力とは、実はあまり関係がない。(参考記事:「コウモリを錯覚させて逃げるガ、進化の謎を解明」)
反響定位には主に高い周波数の音が使われるが、大きな耳で増幅されるのはもっと周波数の低い、例えば獲物が立てるカサカサという音だと説明するのは、ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラーで、米ウェイクフォレスト大学のアーロン・コーコラン氏だ。
反響定位能力が優れたコウモリには、巨大な耳を持つタウンゼンドオオミミオオコウモリ(Corynorhinus townsendii)もいれば、平均的な耳の大きさのヨーロッパチチブコウモリ(Barbastella barbastellus)もいるとコーコラン氏は指摘している。(参考記事:「小さな“声”で獲物に近づくコウモリ」)
ジャックウサギ
米国西部に生息する6種のジャックウサギの中には、長さ18センチほどもある耳を持つ種もある。これは体の大きさの約3分の1だ。
米アリゾナ州立大学の名誉教授で保全生物学者のアンドリュー・スミス氏にメールで尋ねたところ、ジャックウサギの大きな耳を最も上手に説明しているのは米国の作家マーク・トウェインだという。
著書『西部放浪記』でトウェインは、この砂漠の生き物について「ジャッカス(オスのロバのこと)以外では見たことのないような、ばかげた耳が生えている」と書いている。
なぜそんな滑稽な耳が? そう、放熱のためだ。(参考記事:「動物大図鑑 ジャックウサギ」)
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