史上最大のティラノサウルスと判明、約9トン

直径20センチの巨大な骨、28年の生涯はなかなか過酷だった

2019.03.28
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
1991年に発掘された史上最大のティラノサウルス「スコッティ」の想像図。生きていた当時の体重は8.85トンと推定されている。(ILLUSTRATION BY BETH ZAIKEN, THE ROYAL SASKATCHEWAN MUSEUM)
[画像のクリックで拡大表示]

 カナダで見つかった恐竜化石が、これまでで最も重いティラノサウルス・レックス(Tレックス)であることがわかった。体重は推定8.85トンで、現在のゾウより重かった。(参考記事:「類人猿ギガントピテクス、大きすぎて絶滅していた」

 3月21日付けで学術誌「Anatomical Record」に発表されたこの化石は頭と尻の完全な骨、肋骨と脚の骨、尾骨の一部を含む約65%の骨格から成る。ニックネームは「スコッティ」。推定28歳以上と、この恐竜としては高齢だ。

気楽な28年ではなかった

 約6800万年前、スコッティが暮らすカナダは楽園のような亜熱帯の海岸だったが、スコッティの生涯はバカンスとは無縁だった。この恐竜の化石には、肋骨が折れて治癒した痕跡、2本の歯の間で異常に成長した骨、尾骨を骨折した痕跡が残されていた。歯の間にある骨は感染の証拠、尾骨はほかの恐竜にかまれたものとみられる。

「これらの傷跡を見る限り、たとえ肉食恐竜の王者でも、気楽な暮らしではなかったようです」と、米デトロイト・マーシー大学の古生物学者ニザール・イブラヒム氏は語る。氏は今回の研究に関わっていない。

 今回の発見が示唆しているのは、大型肉食恐竜が思いのほか長生きし、体も大きくなったらしいことだ。絶滅した恐竜の中でも、Tレックスは最も標本が多い種の一つであり、20以上の化石が発見されている。

 研究を率いたカナダ、アルバータ大学の博士研究員スコット・パーソンズ氏は「ほかの獣脚類でも、標本が増えれば、スコッティのように大きくて高齢な個体が見つかるでしょう」と話す。「さらに体の大きい標本が見つかっても、私は驚きません。ほかの獣脚類がTレックスと肩を並べていた可能性、Tレックスを超えていた可能性は十分あります」(参考記事:「研究室に行ってみた。アルバータ大学 恐竜と脊椎動物の起源 宮下哲人」

次ページ:立派な太ももをもっていた

ここから先は「ナショナル ジオグラフィック日本版サイト」の
会員の方(登録は無料のみ、ご利用いただけます。

会員登録(無料)のメリット

  • 1ナショジオ日本版Webの
    記事が全て読める
  • 2美しい写真と記事を
    メールマガジンでお届け

おすすめ関連書籍

羽毛恐竜と巨大昆虫

7つの謎で解き明かす太古の世界

3億~1億2000万年前の恐竜・昆虫・哺乳類の姿をいきいきと再現!

定価:本体2,800円+税

  • このエントリーをはてなブックマークに追加