アフリカ南東部襲ったサイクロン 大被害の理由

予想外の進路でモザンビークと近隣諸国に甚大な被害を与えたサイクロン「イダイ」

2019.03.22
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サイクロン「イダイ」が直撃したジンバブエ東部チマニマニのンギャング・タウンシップで、民間人と軍人が協力し、生存者と死者を捜索している。(PHOTOGRAPH BY ZINYANGE AUNTONY, AFP/GETTY IMAGES)
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 2019年3月、アフリカ南東部をサイクロン「イダイ」が直撃した。モザンビークの港湾都市ベイラの近郊では、1000人以上が死亡し、40万人が家を失ったとも伝えられている。南半球で起きた気象災害としては、史上最悪の規模となる可能性もある。3月19日、BBCの取材に対し、国連の当局者は、サイクロンが上陸したモザンビークで170万人、隣国のマラウイで92万人が被害を受けたと話した。 (参考記事:「プエルトリコ、「最強」ハリケーンの被災地は今」

 国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)のジェイミー・ルスール氏は声明の中で、「被害の規模は不明ですが、被災者や死者の数はさらに増えるでしょう」と述べている。

 サイクロンは、インド洋南部、太平洋南部で発生する熱帯低気圧のことだ。サイクロン「イダイ」は最大風速約45メートルで、15日にモザンビークに上陸した。イダイによる高潮は約6メートルにもなった。モザンビーク国立気象研究所によれば、19日も150ミリを超える雨が降り、その後も雨が降り続いた。 (参考記事:「より遅く危険になる台風、上陸後の速度は30%減」

 「私たちは今、被災地の真ん中にいます」と話した、ゴロンゴーザ国立公園の責任者グレゴリー・カー氏は、モザンビーク中央部で洪水が拡大し、道路や橋が押し流されていると報告。ゴロンゴーザ国立公園は、米国のロードアイランド州や日本の滋賀県ほどの大きさで、ベイラから約160キロの内陸にある。 (参考記事:「よみがえったゴロンゴーザ国立公園、モザンビーク」

「食糧援助を手配するため、朝から電話をかけ続けています。ヘリコプターで国立公園内の施設に物資を運んでもらい、私たちで近隣地域に配給したいと考えています」と話すカー氏。同氏によれば、ゴロンゴーザ国立公園の役割は野生生物の保護だけにとどまらないという。近隣の地域に雇用、医療、教育を提供しているからだ。そのゴロンゴーザ国立公園の職員たちは、現在、今回の災害の救援活動をしている。「道路は寸断されていますが、260人のレンジャーは歩くことが得意ですから」とはカー氏の言葉だ。

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