隕石衝突まで恐竜は減っていなかった、新研究

大量の化石データを駆使、「恐竜がすむのに適した環境が豊富にあった」

2019.03.11
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今から約6600万年前、ティラノサウルス、エドモントサウルス、トリケラトプスなどの恐竜が歩き回っていた頃の北米の氾濫原の復元図。(ILLUSTRATION BY DAVIDE BONADONNA)
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 6600万年前のある日、地球に隕石が衝突したせいで、恐竜の時代は終わりを告げた。恐竜の仲間の中で、この試練を生き延びたのは鳥類だけだった。その鳥類と、私たちの祖先にあたる初期の哺乳類が、恐竜に代わって主役の座に就いた。(参考記事:「新説「恐竜絶滅」を生き延びたのは地上の鳥だった」

 だが、もしこの大災害が恐竜に降りかからなかったらどうなっていたのだろうか? それでもやはり自然に衰退し、絶滅していただろうか?(参考記事:「地球への天体衝突が2.9億年前に急増、今も継続か」

 たぶん、そうはならなかった。隕石の衝突がなかったら、恐竜は絶滅していなかったかもしれない。3月6日付けで学術誌「Nature Communications」に発表された論文によると、白亜紀が終わった6600万年前の大量絶滅のときまで、恐竜が衰退する兆しは全くなかったという。この研究結果は、隕石衝突の時点で恐竜がすでに「末期的衰退」の状態にあったかどうかをめぐる論争に新たな一石を投じるものだ。

【参考動画】恐竜入門
かつて地球上には1000種以上の恐竜が生息していた。最大の恐竜と最小の恐竜は? 恐竜たちは何を食べ、どのように行動していたのだろうか? 絶滅に関する驚くべき事実とは?(解説は英語です)

 この研究では、大規模シミュレーションという、古生物学の分野では新しい手法が用いられた。こうした最先端のアプローチによって、過去の環境の大変動に関する理解が深まるとともに、今日の気候変動がもたらしうるものを詳細に予測できるようになるかもしれない。(参考記事:「島のネズミが絶滅、原因は気候変動、哺乳類で初」

「今回の結果は非常に重要です。恐竜衰退の物語がまるごと否定されましたが、新しい手法を考案できてとてもよかったです。いろいろな可能性を秘めています」。今回の研究を率いた古生物学者で、英インペリアル・カレッジ・ロンドンの博士課程学生であるアルフィオ・アレッサンドロ・キアレンツァ氏はそう語る。

もしも隕石が衝突しなかったら

 1940年のディズニー映画『ファンタジア』を観ると、当時の古生物学者が恐竜絶滅の原因をどのように考えていたかがよくわかる。映画では、緑豊かな沼地で繁栄をきわめたお馴染みの恐竜たちが、気候変動に伴う砂漠化により絶滅する様子が描かれている。この考え方は1980年代に大きく変化した。地質と化石の証拠を検証したルイスとウォルターのアルバレス父子が、恐竜が絶滅したのは砂漠化のせいではなく、隕石の衝突による大災害のせいではないかと主張したのだ。

 その後、科学者たちは決定的な証拠を見つけた。メキシコ沖で、この衝突によってできたと思われるクレーターの痕跡を発見したのだ。それ以来、ほとんどの古生物学者が、恐竜を絶滅に追い込んだ主要な原因は隕石の衝突であると考えている(ただし次の参考記事のように、この説にもまだ異論はある)。(参照記事:「恐竜の絶滅にインドの火山が加担、2つの研究成果」

次ページ:古生物学も「ビッグデータ」の時代

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