史上最大のサメ「メガロドン」はなぜ絶滅?新説

従来説より100万年古い時代に絶滅か、ホホジロザメの台頭と一致

2019.02.19
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古代の海の王者メガロドン。体長は最大で18メートル、あごの幅は1.8メートル超にもなった。(FERNANDO G. BAPTISTA, DAISY CHUNG, RYAN T. WILLIAMS, CHIQUI ESTEBAN, AND JAIME HRITSIK, NG STAFF; FANNA GEBREYESUS)
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 史上最大の古代サメ、メガロドン(Otodus megalodon)が絶滅した時期について新たな説が発表された。これまでの推定より100万年ほど早い、今からおよそ360万年前であるという。これは現生のホホジロザメが台頭し始めたのと同時期にあたり、当時、海洋生物たちの序列が大きく変わったことがメガロドンの絶滅につながった可能性を示唆している。2月12日付けの学術誌「PeerJ」に研究成果が発表された。(参考記事:「古代ホホジロザメの化石、定説を覆すか」

 古生物を専攻する大学生だったロバート・ボーセネッカー氏が、米国カリフォルニアのひと気のない砂浜で、巨大な歯の化石を見つけたのは2007年12月23日のこと。人の手ほどの大きさがある、濃い青緑色をしたメガロドンの歯だった。「歯の持ち主もこれにふさわしい大きさです」

 メガロドンは、体長18メートルにもなるとされ、すでに絶滅しているにもかからわらず、映画などではいまだに真っ暗な深海に潜んでいるとされることもある。ボーセネッカー氏は、この巨大生物が地球から姿を消した時期を正確に突き止めようと研究を始めた。それは、10年にも及ぶ長い探求の旅だった。(参考記事:「巨大古代サメの新種を発見、日本人研究者ら」

メガロドンを探して

 現在は米チャールストン大学の非常勤講師であるボーセネッカー氏の研究チームは、この太古の謎を解くため、カリフォルニアにあるメガロドンの痕跡をさらに探し、西海岸で発見されたものの一覧を作成した。チームは調査範囲を他の地域にも広げ、はるか昔に起こった絶滅について幅広く調べた。

 研究チームは、自分たちが発見した化石だけでなく、すでに公開されている文献の化石や博物館の収蔵物も改めて詳細に調査した。その間にも、何度か論文を発表しようとした。しかし、査読は概して好意的だったものの、論文が長すぎるなどの理由でいつも却下された(最終版は補足資料を除いても47ページ)。

 一方、メガロドン絶滅の手がかりを探しているのは、彼らだけではなかった。2014年、米フロリダ大学のカタリーナ・ピミエント氏とスイス、チューリッヒ大学のクリストファー・クレメンツ氏の研究チームは、閲覧可能な記録からメガロドンの絶滅を分析した結果を発表した。同研究チームは、メガロドンはおよそ260万年前まで生きていた可能性があると結論づけた。(参考記事:「ヒトはなぜ人間に進化した? 12の仮説とその変遷」

【参考動画】海を支配する5大サメ
ホホジロザメについてはよく知っているだろう。だが、その他の巨大サメ、カマストガリザメ、イタチザメ、シロワニ、ガラパゴスザメ、ジンベエザメについて、どれくらい知っているだろうか? これらは、世界の海に生息するサメおよそ500種のうちのわずか5種にすぎない。(解説は英語です)

徹底的な調査

 今回の論文で、ボーセネッカー氏の研究チームは、自らの調査結果と2014年に発表された論文のデータを組み合わせ、1つの膨大な一覧を作り上げた。 ただし、比較的最近に記述されたいくつかの歯と椎骨には疑念を抱いた。サンプルの中には、損傷しているものもあれば、リンにより化学変化しているものもあった。こうした変質により、誤って比較的新しい時代のものと判定されることがあるという。他にも出どころが疑わしく、正確に時代を特定できないものがあった。(参考記事:「大絶滅を生き延びた角のある古代ザメ」

 そこでボーセネッカー氏は、場所と年代に疑問が残るサンプルを除外した(全体の約10~15%)。残りの記録を一つずつ詳しく調べるにつれ、あるパターンが明らかになってきた。

次ページ:大量絶滅期ではなかった

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