さよならオポチュニティ 記憶に残る火星探査機

活動停止のオポチュニティ。活動期間は計画の50倍、数々の科学的知見をもたらした

2019.02.16
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火星の地表に降り立ったNASAの火星探査機の想像図。双子の火星探査機スピリットとオポチュニティは2003年に打ち上げられ、2004年1月にそれぞれ火星の別々の地点に着陸した。(ILLUSTRATION BY NASA, JPL/ CORNELL UNIVERSITY)
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 NASAの火星探査機といえば、2018年11月に着陸成功したインサイトが記憶に新しい。その陰で14年以上にわって火星の表面を走り続けた探査機が、2019年2月14日に使命を終えた。火星探査機オポチュニティだ。(参考記事:「火星に着陸成功、探査機インサイトはこれから何をする?」

 NASAはジェット推進研究所(JPL、米カリフォルニア州パサデナ)での記者会見で、オポチュニティに別れを告げた。オポチュニティが火星に送り込まれたのは2004年1月25日のこと。まだFacebookもiPhoneもなく、現在のミッションに従事するNASAの研究者の中には、当時まだ高校生だったという人もいる。それからというもの、オポチュニティは累計で45キロ超走行し、かつて火星の表面に液体の水があったことを示す決定的な証拠をいくつも見つける成果を上げた。 (参考記事:「祝20周年!探査機が撮った火星の絶景写真36点」

2014年3月にオポチュニティが撮影した「自撮り写真」。ソーラーパネルに積もった砂は、火星の季節風が定期的に取り除いてくれる。(PHOTOGRAPH BY NASA, JPL-CALTECH/ CORNELL UNIVERSITY /ARIZONA STATE UNIVERSITY)
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 2018年6月、火星で観測史上最大の砂嵐が発生。それ以降、オポチュニティは太陽光発電ができなくなり、地球との通信が途絶えた。それでもチームは、オポチュニティが再起動する機会を探っていた。昨年11月から今年の1月にかけて、火星では強い風が吹く季節だった。オポチュニティのソーラーパネルに積もった砂を、この季節風が吹き飛ばしてくれることを期待した。今となっては信じられないが、火星に送り込まれたオポチュニティのミッションは3カ月ほどだった。14年以上もの長い期間、活動できたのは、季節風によるソーラーパネル部のクリーニング効果は大きいと考えられている。しかし、今回は違った。風の季節を過ぎても、オポチュニティとの通信は途絶えたままだった。

 2019年1月25日、NASAのチームはオポチュニティに、アンテナの誤動作と内部時計の故障を修正するコマンドを送信する。オポチュニティが動作しない原因が、この故障と関連している可能性は低かったが、研究者たちの最後の希望だった。結局、この修正コマンドがオポチュニティを目覚めさせることはなかった。

 火星の季節が秋から冬へと移る中、こうしてオポチュニティは風が吹きつける火星の小峡谷「忍耐の谷」で永遠に立ち止まることになったのだ。

 今回の発表で、双子の探査機オポチュニティとスピリットによるNASAの火星探査機ミッションは正式に終了した。振り返ってみると、2台の探査機のミッションは、当初、走行距離1.5キロ程度、活動期間は90~100火星日(1火星日は約24時間40分)だった。スピリットは2004年1月4日の着陸から、でこぼこの地表を走行。2009年に立ち往生し、2010年に通信が途絶えた。そして、冒頭で紹介したように、オポチュニティは他のどの火星探査機よりも長い期間(オポチュニティの活動期間は、他の火星探査機の活動時間の合計より長い)活動し、長い距離を走行した。まさに大健闘だ。(参考記事:「スピリット走行不能、NASA公式発表」

2004年8月、エンデュランス・クレーターの中を進むオポチュニティが、クレーターの底に見えてきた美しい砂丘を撮影した。(PHOTOGRAPH BY NASA, JPL-CALTECH/ CORNELL)
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NASAの火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターが撮影したビクトリア・クレーター。オポチュニティは火星着陸から951火星日後にあたる2006年9月27日に、このクレーターの外縁部に到達した。(PHOTOGRAPH BY NASA, JPL-CALTECH/ UNIVERSITY OF ARIZONA/ CORNELL/OHIO STATE UNIVERSITY )
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【参考動画】火星101
血のように輝く赤い星、生命の可能性、何千年も前から火星は人々の好奇心を刺激し続けている。火星はガスと塵の中からどう誕生したのか? 極冠と呼ばれる高緯度地方の氷は生命の可能性を示すのか? 動画で確かめてみよう(解説は英語です)

次ページ:ようやく火星に行けた探査機だった

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