北磁極の動きが加速、原因不明、あまりに急激

グーグルやアップルも利用する「世界磁気モデル」を急きょ更新、米国

2019.02.06
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地磁気が逆転する可能性は?

 カナダ天然資源省の科学研究員ロビン・フィオリ氏は、北磁極が今後どうなるかを予測するのは難しいとしている。現在の速度を保ったままシベリアへ向かうのかどうかもわからない。北磁極に関して唯一はっきり言えることは、予測がつかないということだ。

 岩石を研究すると、磁極に関してもっと奇妙な歴史も明らかになる。過去2000万年の間、北磁極と南磁極は何度か入れ替わっているらしいのだ。この現象は、20万~30万年ごとに起こるとみられている。はっきりした原因は分かっていないが、北磁極が最近おかしな動きを見せているからといって、もうすぐ地磁気が逆転するわけではなさそうだ。

「地磁気が逆転している兆候はありません。起こるとしても、過去の地質学的記録から、少なくとも数千年はかかると思われます」と、ベッガン氏は言う。

 フィオリ氏も、過去に北磁極が今よりもはるかにおかしな動きを見せていたことを示すモデルがあると付け加えた。例えば、1900年以前にも北磁極は激しく揺れ動き、カナダで何度か急カーブして南へわずかに向かっていた時期もあった。(参考記事:「一酸化二水素、沸点、磁極 ――物理と化学の迷信」

「どれも、外核にある液体の流れが変化したことと関係しています」。最近になって急に活発化したようにみえる北磁極だが、これは今に始まったことではないのだ。

「過去数十年間と比較すれば、現在磁極の移動は速まっていますが、地球の長い歴史のなかではこんなことが何度あったでしょう」と、米ロスアラモス国立研究所の宇宙科学者ジョフ・リーブス氏は問う。

「今後どうなっていくかはまったく予想できません。わかっているのは、これまでと違う動きを見せているということです。つまり、科学的に興味をそそるということです」

ギャラリー:まるで芸術、自然の神秘がつくった世界の奇岩怪石 写真16点(写真クリックでギャラリーページへ)
米イエローストーン国立公園のオールド・フェイスフル間欠泉の「卵」は多層構造をしていて、過去の熱水だまりのそのときの状態を知る手がかりになる。(PHOTOGRAPH BY MICHAEL NICHOLS, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)

文=Maya Wei-Haas/訳=ルーバー荒井ハンナ

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