今後80年で海の色が変わる 気候変動から予測

今のペースで温暖化が進むと、青やエメラルドグリーン色の海はもっと濃い色になる

2019.02.07
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2011年8月14日、大西洋北部のバレンツ海で繁殖する植物プランクトンの様子。この画像は人工衛星アクア搭載の中分解能撮像分光放射計(MODIS)によって撮影されたもの。(PHOTOGRAPH BY NASA, GSFC/JEFF SCHMALTZ/MODIS LAND RAPID RESPONSE TEAM)
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 このまま行けば、2100年の海は現在と違った色になるだろう――2019年2月4日、学術誌『Nature Communications』に発表された論文で示された結論だ。

 この研究は、海水温の上昇が現状のまま続いた場合、植物プランクトンの分布にどんな変化があるかを、モデルを用いて調べたものだ。海水温の上昇は、今のペースで温室効果ガスの排出が続くシナリオに基づいたもので、宇宙から見たとき海洋で青色がもっとも濃く見える亜熱帯の海はさらに青さを増し、赤道や極周辺の緑色に見える海はさらに濃くなるという。

 また論文の著者らは、海の色の変化は、温暖化による次の地球規模の大きな変化の前兆になるとも主張している。

海の色を測定

 現在でも海水の色は、季節が変わるたびに定期的に変わることが確認されている。ところが、この研究によれば、海水温が上昇し続けることで、季節によらず宇宙から見える海の色が現在と違うものに固定されてしまうという。(参考記事:「ギャラリー:宇宙から見てもスゴイ!雄大な地形の国立公園12点」

 ここで、おさらいしてみよう。人の目で太陽からの光を認識できるのは、海面から水深およそ200メートルあたりまで。それより深いところは暗闇に見える。太陽光が届く範囲では、水分子が青以外の色を吸収するため、青い光は反射される。こうして私たちの目には、海が青く見えるわけだ。

 海の色は緑に見えることもある。これは、海にとけ込んだ有機物や海面の植物プランクトンのためだ。植物プランクトンは葉緑素をもつ。葉緑素は、植物の仲間が日光を使ってエネルギーを作る光合成に使われる緑色の色素だ。こうして緑色に見えるのだ。(参考記事:「ジンベエザメ、大量に藻や植物食べ、4カ月絶食も」

 数千種いる植物プランクトンには、暖かい海水に適応したものだけでなく、冷たい海水に適応して進化してきたものがいる。海が暖まると海流の流れが不規則になり、水中の層が「暖かい層」と「冷たい層」にくっきりと分かれると考えられている(2つの層は、簡単に混ざり合わない)。海水温の上昇が続けば、絶滅する種と大きく繁栄する種が登場したり、生息域をほかの海域へと変えたりする種も出てくるだろう。こうした変化も海の色に影響を与えるだろう。

 温暖化が植物プランクトンに与える変化は、これだけではない。例えば、エルニーニョ(熱帯太平洋東部の海面水温が平年より高くなる現象)やラニーニャ(熱帯太平洋東部の海面水温が平年より低くなる現象)などの自然現象も、植物プランクトンが決まった海域に集中する一因だと考えられるからだ。(参考記事:「温暖化で極端なエルニーニョ/ラニーニャ倍増」

 そこで、研究グループは、人工衛星を使って海洋から反射する光をまとめて測ることにした。

【動画】気候変動101:海(解説は英語です)

次ページ:80年後、海の色が変わる

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