海水にまぎれていたプラスチック片とカワハギの仲間。米国ハワイ島キホロ沖の表層海水から採集した。カワハギは、サイズから生後50日ほどとみられる。(PHOTOGRAPH BY DAVID LIITTSCHWAGER/PHOTOGRAPHED AT A TEMPORARY FIELD LABORATORY, NOAA PACIFIC ISLANDS FISHERIES SCIENCE CENTER, KAILUA KONA, HI)
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 ハワイの海には、海流や風の影響で多くのプランクトンが集まり、それらを目当てに腹をすかせた魚もたくさんやってくる。しかし同時に、ごみも集まってくる。なかでも多く見つかるのが、プラスチックだ。

「比較的少量のサンプルの中からもこれほど多くのプラスチックが見つかるとは、ちょっと驚かされました」と、ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラーでもある写真家のデビッド・リトシュワガー氏は語る。2018年7月、リトシュワガー氏は、米国ハワイ沖の海水サンプルを集める研究者たちに同行した。彼らは、海流が集まってプランクトンがひしめく海の表層から、網を使って400立方メートル分の水をすくい取り、バケツに入れてハワイ島の研究所へ持ち帰った。

 リトシュワガー氏は海水をトレイにあけ、そこに含まれているものを接写する。写し出されるのは、プランクトンとプラスチックとが互いに絡み合った世界。小さな稚魚が、色鮮やかなプラスチックや釣り糸と一緒に浮かんでいる。なかには、あまりにごちゃごちゃとしていて、生物とごみを見分けにくい写真もある。

ハワイ沖で採取した358立方メートルの海水に入っていた海洋生物(左)とプラスチックごみ(右)。別々に撮影することで、コントラストを際立たせた。(PHOTOGRAPH BY DAVID LIITTSCHWAGER /PHOTOGRAPHED AT A TEMPORARY FIELD LABORATORY, NOAA PACIFIC ISLANDS FISHERIES SCIENCE CENTER, KAILUA KONA, HI)
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 カラフルな抽象画のようにも見えるこれらの写真は、同時に、海中でひっそりと恐ろしいことが進行していることを教えてくれる。プラスチックごみが摩耗や紫外線によって細かく砕かれた5mm以下の小さなプラスチック片は、マイクロプラスチックと呼ばれ、世界中の海で見つかっているだけでなく、川や深海底にも到達している。(参考記事:「深海底に大量のマイクロプラスチックが集積、研究」

次ページ:「現実にそこにあるものを見てもらいたいのです」

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