バハマ名物のコンク貝、10年で消える恐れ、研究

幼い貝が見当たらない、乱獲で生息密度が低下、科学者が警鐘

2019.01.24
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殻から身をのぞかせているコンク貝。バハマの象徴でもあるコンク貝は、乱獲によって減少している。(PHOTOGRAPH BY MIKE THEISS, NAT GEO IMAGE COLLECTION)
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 もしあなたがカリブ海の「コンク貝」という巻貝になったとして、結婚したいと思ったら、グループ交際をしたほうがいい。

 というより、コンク貝は集団でいないと繁殖できない。ピンク色とオレンジ色の重い殻を背負っているため動きが遅く、相手を追いかけるのは得意でない。繁殖地には、コンク貝が50個以上集まっている必要がある。

 バハマでは、コンク貝が文化的、経済的に重要な位置を占めている。しかし、そのコンク貝が繁殖の危機に直面している。このたび学術誌「Fisheries Science & Aquaculture」に発表された論文によると、乱獲と取り締まりの甘さから、コンク貝の生息地の多くで繁殖に必要な個体数を下回るようになっていることが明らかになった。そういった場所のコンク貝は、繁殖することなく、年をとって死んでしまう。すると、コンク貝の漁も成り立たなくなる。論文では、乱獲によってバハマのコンク貝はあと10年ほどで消えてしまう可能性があるとしている。(参考記事:「ハワイ固有のカタツムリが絶滅、最後の1匹が死亡」

 サラダからフリッターまで、あらゆる料理に使われるコンク貝は、バハマの主要な食材の1つであり、文化の象徴でもある。毎年、コンク貝パレードやコンク貝フェスティバルが開かれ、大食い競争、料理コンテスト、早割り競争などが行われている。コンク貝の漁ができなくなれば、国の人口の約2%にあたる9000人以上の漁師が職を失う。

 1月13日、バハマの海洋資源局は、コンク貝の保護を強化するための勧告を公式に作成すると発表した。そこには、輸出の撤廃や規制担当者の増員が盛り込まれる予定だ。この勧告は首相の承認を経て最終決定される。(参考記事:「息をのむような美しさ! 海洋保全を熱く訴える、水中写真15点」

コンク貝に迫る危機

 コンク貝は、カリブ海のいたる所に生息している。そのほとんどは、背の高い海草が生えている広い砂地にいる。植物の枯れ葉などを食べるおかげで、海草が生える場所を健康な状態に保つことができる。さらに、コモリザメやウミガメなど、大型の捕食動物の重要な食料にもなる。

 かつてコンク貝の生息地は、米フロリダキーズ諸島にまで広がっていた。しかし、乱獲のため、1975年には漁が成り立たなくなった。オランダ領アルバ、英領バミューダ諸島、コスタリカ、ハイチでも、乱獲のためコンク貝の漁が消滅している。その他多くの場所でも、乱獲が行われているようだ。(参考記事:「衛星で漁船を追跡、なんと海面の55%超で漁業が」

 バハマは、カリブ海地域の中でもコンク貝漁の規制が特に甘い。確かにスキューバダイビングでコンク貝を獲ることは禁じられており、輸出制限や禁漁区も設けられてはいる。しかし、保護活動家によると、そもそも規制が厳しくないうえに、担当者や資金も少ないという。(参考記事:「国連が公海の保護条約協議へ、「海洋版パリ協定」」

 国連食糧農業機関(FAO)の報告書によると、1970年に水揚げされたコンク貝は、年間100トンに満たないほどだった。しかし、2006年には最大の800トン以上に達し、2014年には400トンに減少している。

 2015年にバハマで水揚げされたコンク貝約400トンのうち、約半分が推定約230万ドル(2億5000万円)で輸出され、残りはバハマ国内で販売された。米海洋大気庁(NOAA)の報告書によると、輸出されるコンク貝の身のほとんどは米国向けだという。

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