絶滅危惧のキツネザル、観光島へ移住させて保護へ

マダガスカル、エコツーリズムと動物保護の両立へ実験的プロジェクト

2019.01.09
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カンムリキツネザルのメス。マダガスカル北部のアンカラナ特別保護区にて。(Photograph by Pete Oxford, Minden Pictures/Nat Geo Image Collection)
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 アフリカ大陸の南東沖にある島国、マダガスカルのキツネザルが減り続けている。

 最大の脅威は生息環境の破壊と劣化、そして密猟だ。重さ30グラムほどのピグミーネズミキツネザルから重さ9キロのインドリまで、この国にすむキツネザルのほとんど、100種以上が絶滅の危機にさらされている。(参考記事:「動物大図鑑:ネズミキツネザル」

「マダガスカルにおける生息環境の劣化はひどいものです」と語るのは、生態保全の専門家ラッセル・ミッターマイヤー氏。自然保護団体グローバル・ワイルドライフ・コンサベーションの保全責任者で、哺乳類の専門家が集まるプライメイト・スペシャリスト・グループの会長でもある。(参考記事:「哺乳類の多様性、回復に数百万年、今の大量絶滅で」

「世界で最も保全状況が悪い場所の1つであり、私が目にした最も深刻な土壌浸食が起こっている場所でもあります。手つかずの生態系はわずか10%に過ぎず、今も破壊が進んでいます」

 すべてのキツネザルが生息環境劣化の影響を受けている一方で、カンムリキツネザルなどは特に密猟の影響を強く受けている。2016年7月だけで、保護区であるボバンコラの森で、62匹のカンムリキツネザルが密猟の犠牲となった。「主に食用目的で狙われています」とミッターマイヤー氏は言う。「ただ、多くの場合、密猟者自身の食料として必要なわけではなく、地元のレストラン市場で売られるのです」(参考記事:「クロザルの現実 食用やペットに」

 この問題に立ち向かおうと、マダガスカル北東海岸沖の小さな島ノージー・アンコにある観光施設「タイム・アンド・タイド・ミアヴァナ」が、ミッターマイヤー氏および地元のコミュニティと協力して、カンムリキツネザルの移住プロジェクトを立ち上げた。北東マダガスカルでは初となる今回のプロジェクトでは、おとな4匹と赤ちゃん1匹が、本島のベカラオカの森からノージー・アンコに移された。

ノージー・アンコにある観光施設「タイム・アンド・タイド・ミアヴァナ」。専門家や地元と協力して、カンムリキツネザルの移住プロジェクトを率いている。(Photograph Courtesy Time and Tide Miavana)
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「飼育環境でうまく暮らせるキツネザルの種は少ないので、保全は野生下で行わないといけません」とミッターマイヤー氏はプロジェクトについて話す。「タイム・アンド・タイド・ミアヴァナで行われているエコツーリズムは、マダガスカルの経済および生物多様性の未来を示しています。地元のコミュニティにとっては特に大切なことです。実行可能な保全策の中で、きちんと運営されているエコツーリズムほど有用なものはありません」

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