対照的に、南半球の恐竜の動物相は構成が大きく異なっていた。そして今では、南米(当時のゴンドワナ西部)とオーストラリア間の違いもはっきりしつつあるとモルナー氏は言う。

「南米との明らかな違いの1つは、オーストラリアは小型鳥脚類が豊富かつ多様だという点です」

多様な種に進化した鳥脚類

 ライトニング・リッジには小型の鳥脚類が最大で3種いたことが化石の断片から明らかになったと、ベル氏らのチームは論文で報告している。また、別の4種がビクトリア州から見つかっている。

 北米では、トリケラトプスやハドロサウルスといった植物食恐竜が暮らす中で、テスケロサウルスのような小型の鳥脚類は生態系での大きな地位を獲得することはなかったようだ。しかし、トリケラトプスやハドロサウルスの仲間は、オーストラリアにはいなかった。

「ですから、ここでは小型鳥脚類は好きなだけ自由に植物を食べることができ、多様な種に進化していったのです」とベル氏は考えている。

 アルゼンチンにあるリオ・ネグロ国立大学で植物食恐竜を専門に研究するペネロペ・クルサド=カバレロ氏は、「白亜紀の南米、南極大陸、オーストラリアにいた2足歩行の小型植物食恐竜たちのつながり、移動、関係などを解明するのに、今回の発見が役立ちそうです」と評価する。(参考記事:「オーストラリアと南アメリカの恐竜は仲間だった?」

 かつてゴンドワナを構成していた今日の大陸は、当時すでに分裂し始めていた。一方、クルサド=カバレロ氏のチームは近縁な鳥脚類の化石を南極大陸とアルゼンチンで発見していることから、「白亜紀の間、少なくとも断続的に、これらの大陸を結ぶ陸の橋があったはずだということになります」と話す。「南米の動物相が南極大陸を通ってオーストラリアに移り住み、そこでオーストラリアの鳥脚類が生まれたのでしょうか? それとも、その逆なのでしょうか?」(参考記事:「オーストラリアの巨大恐竜、南極大陸を横断か?」

 こうした知識の空白を埋めるのに、新しい化石が役立つかもしれない。今もベル氏らのチームは、オパール化したいくつもの標本に取り組んでいる。数年後には新種として記載されそうだ。

【参考ギャラリー】決定版!奇跡の恐竜化石たち 写真23点(写真クリックでギャラリーページへ)

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