宝石になった恐竜の化石を発見、しかも新種

ゴンドワナ超大陸の恐竜について新たな手がかり、オーストラリアで発見

2018.12.07
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ウィーワラサウルスの右下顎の化石。オパール化して虹色になっている部分が見える。(PHOTOGRAPH BY ROBERT A. SMITH)
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 ポーベン氏は、歯をとどめたオパールを手元に残し、残りを仲介業者に送った。9日後、売れ残ったオパールが返却され、ポーベン氏はそれらも調べてみた。

「すると化石がもう1つ見つかりました。最初のものよりも小さく、歯の根がはまる穴がある骨です。ひっくり返すと、頭の中が爆発しそうになりました」とポーベン氏。「2つの化石片を並べると、同じ顎骨の一部だとわかったのです」

 論文著者のベル氏が、独特の歯を持つこの化石を初めて目にしたのは2014年のこと。最初は、開いた口がふさがらなかったと明かす。ポーベン氏はその後、この化石をオーストラリアオパールセンターに寄付。同センターはライトニング・リッジにある博物館で、オパール化した化石の世界最大のコレクションを有している。

南の超大陸にいた恐竜たち

 南方の超大陸ゴンドワナの東部から発掘される恐竜は急速に増えており、ウィーワラサウルスもそのリストに加わる。命名されたオーストラリアの恐竜は20にも満たないが、2015年以降では竜脚類のサバンナサウルス、よろい竜のクンバラサウルス、そして小型の鳥脚類ディルビカーソル(Diluvicursor)に続く4種めの記載となる。(参考記事:「ゴンドワナの名残か、インド洋で発見」

 ライトニング・リッジは今でこそ乾燥した、低木が点在する土地だが、ウィーワラサウルスが生きていた頃はまるで正反対の環境だった。白亜紀中期、ここは太古に存在したエロマンガ海の縁にあり、湖と水路が多い緑豊かな一帯だった。

 当時、この地域は南緯60度にあり、今よりずっと南極圏に近かった。ライトニング・リッジと南極点との距離は、現在のフィンランドの首都ヘルシンキと北極点との距離と同じくらいだっただろう。気候は温暖だったが、暗く長い冬には、太陽が地平線上に昇るのはほんの短時間だけという日が何日もあった。

「ライトニング・リッジで出る化石は、ゴンドワナ大陸東部の動物相に光を当てるのに役立っています」と話すのは、米国、北アリゾナ博物館の古生物学者ラルフ・モルナー氏だ。化石の年代である1億年前~9600万年前、この大陸は世界の陸地部分の5分の1を占めていたと推測されている。

 通常、人々が白亜紀の恐竜について考えるとき、たいてい思い浮かべるのは北米の恐竜だ。しかし、「『ティラノサウルスやトリケラトプス、ハドロサウルスたちの動物相』は、北米とアジアに特有だったのではと思います」とモルナー氏。氏はかつてオーストラリアのクイーンズランド博物館を拠点にしており、同国で最も有名な恐竜のムッタブラサウルスが1981年に発見された時も関わっていた。

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