千年以上古いピラミッドのそばに後の時代のミイラ

2500年前のミイラ8体が約3800年前に建造された「白いピラミッド」近くで見つかった

2018.11.30
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カラフルな装飾が施されたミイラ。約2500年のときを経て発掘された。(PHOTOGRAPH COURTESY MINISTRY OF ANTIQUITIES)
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 エジプト考古省は2018年11月28日、ダハシュールのピラミッド付近で8体のミイラが発掘されたと発表した。末期王朝時代(紀元前664-332年)のものとみられ、いずれも彩色したカルトナージュ(パピルスやリネンをプラスターで固めた張り子のようなもの)で覆われ、石灰石のサルコファガス(石棺)に納められていた。(参考記事:「古代エジプトの女性の遺骸発見 死因は出産?」

 エジプト考古最高評議会の事務総長ムスタファ・ワジリ氏によれば、良好な状態を維持しているミイラは3体だけだという。

 紀元前19世紀初頭に死去した第12王朝のファラオ、アメンエムハト2世が葬られている「白いピラミッド」の周辺を調査していたとき、8体のミイラが発見された。ダハシュールのネクロポリス(巨大墓地)に建造されたこのピラミッドは、白い石灰石のブロックが略奪され、ほとんど何も残されていない。 (参考記事:「2000年前の古代エジプトの墓を発見、大規模墓地か」

 なぜ末期王朝時代のミイラが、それより1200年以上も前に建造された中王国時代のピラミッドの近くで発見されたのだろう?

 ダハシュールとサッカラのネクロポリスにはピラミッドがいくつもあり、メンフィスのエリートたちの埋葬地として機能していた。メンフィスは古王国時代の下エジプトの首都で、中王国時代も重要な都市と見なされていた。(参考記事:「エジプト最新ミステリー 発見された黒い棺の人物」

 エジプト学者でナショナル ジオグラフィックのエクスプローラーでもあるサラ・パーカック氏によれば、エジプトの首都は末期王朝時代までにナイル川デルタへと移ったが、ダハシュールとサッカラの周辺は信仰の中心地であり続けたという。「時代が変わっても、神聖な場所と考えられていました。そのため、ダハシュールとサッカラの一帯には、末期王朝の高官たちの墓が点在しています」(参考記事:「エジプト中王国の大規模墓地を発掘、墓800基」

ところ変わればミイラも変わる、世界各地のミイラ11点(画像クリックでギャラリーへ)
不敵な笑みを浮かべたように見える数千年前のワニのミイラ。古代エジプトでは、王族の埋葬時に、ペットや神の化身として動物をミイラにした。

文=KRISTIN ROMEY/訳=米井香織

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