【動画】ハサミムシのすごい翅、驚異の折り畳み式

10倍以上に広がり、開いても閉じても形をしっかり保持

2018.11.17
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日本で見つかったコブハサミムシ(Anechura harmandi)の翅が、ゆらめく光を放つ。ほかのハサミムシ同様、この種も折り畳み式の翅を持ち、飛んでいる間は翅が広がったまま安定している。(PHOTOGRAPH BY FUMIHIKO HIRAI)
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広がる応用の可能性

 ドイツ、デュースブルク・エッセン大学の研究者で、このテーマの論文を発表したことがあるユリア・ダイタース氏は、折り目が直線ではなく曲がっていることも、翅が安定する理由だと話す。こうした構造によってうまく力が調整され、翅が完全に開いているか閉じているかした場合に「ロックがかかる」ことが可能になるのだという。

 ダイタース氏は、ハサミムシの翅を初めて目にしたとき、これを研究しなければと強く思ったと話す。「見事な翅ですからね」(参考記事:香川照之インタビュー「クマゼミとの衝撃的な出会い」

 以来、何年もハサミムシの研究に取り組んできたダイタース氏は、この生き物にユニークな個性があることに気付いたという。オスがメスを誘おうと試みるときの念入りな求愛行動などは、ある意味で「人間のような振る舞い」だとダイタース氏。

 ハサミムシの翅はほとんどの種でよく似ているが、そう頻繁に翅を使わない。ハサミムシが飛ぶ真の目的、そして飛翔を促す条件はまだ謎のままだ。

 アリエタ氏らは、翅のメカニズムに関する今回の知見を使い、それをまねた道具を作り出せると期待している。「ハサミムシの翅は、同じような器具を作るためのレシピを与えてくれました」とアリエタ氏は話す。そうした器具ができれば非常に価値のあるツールとなり、素早く組み立てられるテント、持ち運び可能なソーラーパネル、小型の電子機器などに応用できるかもしれない。(参考記事:「日本の切り紙「網」の技術で太陽電池の集光3割増」

ギャラリー:姿を隠す動物たち 写真43点(写真クリックでギャラリーページへ)
カマキリの1種、コーンヘッド・マンティス(Empusa pennata)。トルコ、カフラマンマラシュにて。(PHOTOGRAPH BY MEHMET KARACA, NATIONAL GEOGRAPHIC YOUR SHOT)

文=DOUGLAS MAIN/訳=高野夏美

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