インカ帝国の最盛期を象徴するマチュピチュの遺跡。(PHOTOGRAPH BY DIANE COOK AND LEN JENSHEL, NAT GEO IMAGE COLLECTION)
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 アンデスの高山の斜面に抱かれたマチュピチュ遺跡は、古代インカ帝国にまつわる多くの謎を明らかにしてきた。この遺跡を目当てに、ペルーには毎年のように多くの観光客が押し寄せるが、何層にも重なった歴史の下には、まだほとんど知られていない秘密が数多く眠っている。(参考記事:「世界遺産 マチュピチュに忍び寄る危機」

1. マチュピチュは“インカ帝国の失われた都市”ではない

 1911年にマチュピチュを発見した探検家のハイラム・ビンガム3世は、元々はビルカバンバという別の町を探していた。ビルカバンバとは、インカの人々が1532年のスペイン人侵略から逃れてたどりついた先と言われており、やがてそれはインカの失われた都市として語り継がれるようになる。ビンガムはマチュピチュがビルカバンバであると主張していたが、1956年の彼の死後、それが間違いであったと証明された(本物のビルカバンバは、マチュピチュから約80キロ西のジャングルの中に作られたと考えられている)。最近の調査で、マチュピチュはそもそも「忘れられた町」なのかどうかさえ疑問視されるようになった。ビンガムが到着したとき、そこにはまだ3家族の農民が暮らしていたのだ。(参考記事:「なぜマチュピチュは「大発見」だったのか」

2. 地震に強い

 インカ帝国の都市に見られる見事な石の建造物のほとんどは、漆喰を使わずに建てられた。石は計算したように正確に切り出され、隙間なく積み上げられている。その建築様式には、見た目の美しさだけでなく、工学的な利点もある。ペルーは地質活動が活発な国で、首都のリマやクスコも地震に見舞われたことがある。マチュピチュの下にも、2本の断層線が通っている。地震が起こると、インカの建物は「踊り出す」と言われている。つまり、地震の揺れに伴って石が互いに衝突しあい、最終的に元の位置に納まる。このような建て方でなければ、マチュピチュの多くの有名な建造物はとうの昔に崩落していただろう。

【ギャラリー】古代インカ都市マチュピチュ 写真9点(写真クリックでギャラリーページへ)
太陽の神殿 / 大きな岩を取り囲むようにして建てられた半円形の太陽の神殿。(PHOTOGRAPH BY ERIKA SKOGG, NAT GEO IMAGE COLLECTION)

3. 目に見えないところに、すごいものが眠っている

 インカといえばその見事な石壁が有名だが、土木工学もまた驚くほど発達していた(よく指摘されることだが、インカ人は運搬用の家畜や鉄製の道具、車輪を使用していなかった)。私たちが現在目にする遺跡は、ふたつの小さな頂の間を削り、石や土を取り除き、ある程度平たんな土地を作って、その上に建造された。エンジニアのケネス・ライト氏は、マチュピチュの工事の60%は地下に隠されていると推測する。建物の土台を地下深くまで掘り下げ、さらに粉砕した石を敷いて水はけを良くした(雨期にここを訪れた人なら誰でもわかるように、マチュピチュは雨が多い)。

4. 遺跡までは、徒歩で登ることも可能

 マチュピチュまでの旅は決して安いものではない。クスコからの電車代は片道1万円以上するものもあるうえ、入場料はどのオプションを選ぶかによって約5000~7000円。遺跡までの高さ600メートルの山道を往復するバス代は3000円近くかかる。運動が嫌でなければ、バス代を浮かせるため徒歩で登ることもできる。急な山道は、1911年にハイラム・ビンガムが歩いたおおよその道をたどり、ビンガムが生きていた当時とほぼ変わらないマチュピチュ歴史保護区の絶景を眺めることができる。上り坂はきつく、所要時間は約90分。

5. 誰も訪れない隠れ家的博物館

 国立公園に行くとよく目にする説明書きが、マチュピチュにはほとんど見られないことに戸惑う旅行客もいるだろう(ごちゃごちゃしたものがなくて見栄えがいいという利点はあるが)。遺跡のことをよく知りたいなら、入場料800円ほどのマヌエル・チャベス・バヨン博物館を訪れてみよう。マチュピチュがどのようにして、なぜ作られたのか、なぜこれほど険しい自然を要塞に選んだのかといった多くの疑問に、英語とスペイン語で答えてくれる。だが、それにはまず博物館の場所を探さなければならない。マチュピチュのふもと近くを通る未舗装の道路を行くと、その先の不便な場所に隠れるようにして建っている。アグアスカリエンテスの町から徒歩30分。(参考記事:「マチュピチュ建設の理由、5つの説」

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