古代インカ都市マチュピチュ、知られざる10の秘密

地震に強いインカの建物、隠れ家的な博物館…まだまだ知らないマチュピチュ

2018.11.09
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【ギャラリー】古代インカ都市マチュピチュ 写真9点(写真クリックでギャラリーページへ)
【ギャラリー】古代インカ都市マチュピチュ 写真9点(写真クリックでギャラリーページへ)
ワイナピチュのてっぺんまで歩いて登ると、マチュピチュ全体を見渡すことができる。(PHOTOGRAPH BY MIKE THEISS, NATIONAL GEOGRAPHIC)

6. 登頂できる山はもうひとつある

 アグアスカリエンテスのバスターミナルの外には、毎朝のように日の出を待たずして長い観光客の列ができる。その日一番にマチュピチュ遺跡へ到着しようと早起きした人々だ。というのも、ワイナピチュ山(マチュピチュの写真によく登場するサイの角のような小さな緑色の頂)に登ることができるのは、一日400人までと決められているからだ。だが、実は遺跡の反対側にもうひとつ、マチュピチュ山とよばれる頂があり、こちらはほとんど登る人がいない。高さは、ワイナピチュ山の2倍で500メートルある。その山頂から見下ろす遺跡周辺の眺め、そしてマチュピチュを囲むようにして蛇行するウルバンバ川の急流は絶景だ。

7. 秘密の神殿がある

 早起きしたおかげで幸運にもワイナピチュ山のゲストリストに入ることができたら、ただ山頂に登って写真を撮るだけでなく、その向こうにある月の神殿にも足を延ばしてみよう。険しい山道を行くと、洞窟に作りつけられたこじんまりとした神殿が姿を現す。洞窟の壁には精巧な石細工とくぼみが並び、この中にミイラが収められたと考えられている。

8. まだ発見されていないものがある

 マチュピチュの中心地から離れると、鬱蒼とした茂みへ入っていく横道が何本かあるのに気づくだろう。道の先がどこへ続いているのかは、誰も知らない。マチュピチュを取り巻く雲霧林は成長が早く、まだ知られていない道や遺跡が近くに隠れているかもしれないのだ。2011年にも、複数の段々畑が整備され、初めて一般公開された。

9. 正確な方向感覚

 1911年にハイラム・ビンガムがマチュピチュにたどり着いたときから、遺跡の建物と同様、その自然な地形が重要な意味を持つということは理解されてきたが、最近の研究で、遺跡の位置とその最も重要な建造物の向きが、近隣にある「アプ」と呼ばれる聖なる山々の位置に強く影響されていることが明らかになった。ワイナピチュ山の頂上にある矢印の形をした石は、ちょうど真南を向いている。それが指す先には、有名なインティワタナの石があり、さらにその先に、インカの宇宙論において重要なアプとされているサルカンタイ山が位置する。

10. マチュピチュは巡礼の旅の終着点だった?

 イタリアの天文考古学者ジュリオ・マグリ氏は、クスコからマチュピチュまでの道のりには儀式的な意味があったのではないかという新しい説を唱えた。言い伝えによると、最初のインカ人はチチカカ湖にある太陽の島を出て天空の旅をしたという。その旅路をイメージして、インカの人々は「インカトレイル」と呼ばれる道を切り開いた。ウルバンバ川の土手に沿った安易なルートではなく、非実用的な道だが眺めは圧巻だ。マグリ氏によれば、この道は巡礼者たちにマチュピチュへ入る心構えをさせるためのものだったのではないかという。最後に、マチュピチュ遺跡の中心区域で最も高い位置にあるインティワタナの石へ続く階段を登り、旅は終わる。

【動画】マチュピチュとは
漆喰や鉄製の道具、車輪なしに建てられたマチュピチュは、工学の驚異と称賛される。町はなぜ建てられ、そして捨てられたのか?(解説は英語です)

文=Mark Adams/訳=ルーバー荒井ハンナ

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