コーヒーが大好きな人、逆に我慢できない人の違いには、遺伝子が影響しているのだろうか。(Photographs by Mark Thiessen & Rebecca Hale, NGM Staff)
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 1杯の熱いコーヒーがなければ朝が始まらないという人は多い。一部の国では、サマータイムが終わったばかりのこの時期、睡眠パターンの乱れからいつもよりコーヒーの量が増えるかもしれない。(参考記事:「実は冗談が発端、サマータイムの奇妙な歴史」

 その一方、いくら睡眠不足でもコーヒーは飲めないという人もいる。コーヒーに限らず、カフェインを少し摂取しただけで興奮したり一晩中寝られなくなってしまう。人によってなぜこれほどの違いが出るのだろうか。その一端は遺伝子にあるようだ。

「私たちにカフェインの摂取量を左右する遺伝的な要因があることが、明らかになってきています」。米イリノイ州、シカゴのノースウェスタン大学の薬学部でカフェインを研究しているマリリン・コーネリウス氏は言う。「その影響の大きさは興味深いです」

 コーヒーを日常的に飲む人は、ある程度まで体がカフェインに反応しにくくなるが、毎日の摂取を控えるだけでその状態は逆戻りする。しかし、ある遺伝子のDNAに変異がひとつでもあると、コーヒーを飲んで不安感を抱いたり、眠れなくなったり、胸がむかつくという症状が起こり、摂取を避けるようになるのではないかと考えられている。(参考記事:「コーヒーは幻覚を引き起こす?」

コーヒー遺伝子

 体内に入ったほとんどのカフェインの代謝を左右するのは、たったふたつの遺伝子だ。CYP1A2という遺伝子は、摂取したカフェインのおよそ95%を代謝する酵素を肝臓で作る。また、その酵素をどれだけ作るかを決める遺伝子がAhRだ。このふたつがセットになって、血流中のカフェイン量が制御される。

「カフェインの代謝が低い遺伝子型の人は、高い遺伝子型の人に比べてコーヒーの摂取量が少ない傾向があります」と、コーネリウス氏は説明する。

 言い換えれば、代謝が速い人や喫煙者(喫煙は代謝を高める)の場合、カフェインは体内に残りにくいため、脳がそれほど強く刺激されない。対して、カフェインを代謝する酵素の少ない人は、より多くのカフェインが体内に長時間残り、その影響も長引く。(参考記事:「コーヒーを飲んで記憶力アップ」

カフェインで眠気が減る理由

 他にも、脳の活動や報酬系へカフェインが与える影響や、不安症、不眠症、胃のむかつきといった副作用を引き起こす別の遺伝子の組み合わせが見つかっている。(参考記事:「頭の中で爆発音も! 現代人を襲う睡眠問題」

 DNAの構成要素で、朝や昼食後に眠気を引き起こす一因にもなるアデノシンという物質がある。アデノシンが眠気をもたらすのは、ドーパミンやノルアドレナリンなど、脳を興奮させる物質の放出を減らす「興奮抑制作用」があるからだ。しかしカフェインが血流に入ると、アデノシンの代わりにアデノシン受容体と結びついてしまい、興奮の抑えがきかなくなって目が冴えてしまうのだ。(参考記事:「眠気の正体」

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