【動画】ヒョウとハイエナが仲良く食事?

本来なら獲物を奪い合って独り占めする肉食動物が獲物を共有。だが意外な結末に

2018.11.07
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弱肉強食のフォトギャラリー 写真13点(画像クリックでギャラリーへ)
コフラミンゴをくわえるブチハイエナ。ケニアのナクル湖国立公園。ハイエナはほとんど何でも食べるが、例外はキリンとおとなのスイギュウくらい。ハイエナには太刀打ちできないほど体が大きいからだ。(PHOTOGRAPH BY WINFRIED WISNIEWSKI, MINDEN PICTURES)

 しかし、微妙な状況は長続きしなかった。若いオスから獲物を奪った大きなオスのヒョウが映像に登場する。大きなオスは、丈の高い草の間から姿を現すと、残りは自分のものだと言わんばかりに、ハイエナと若いヒョウに近づいてくる。すぐに、ハイエナと若いヒョウは逃げ去り、大きなオスのヒョウはいとも簡単に獲物をくわえて近くの木に登り、尿で縄張りをマーキング。残されたハイエナ、若いオスとメスのヒョウは食べ残しを探すほかなかった。

 野生で、一番多くの獲物を得られるのは、どんな動物だろうか。米ミシガン州立大学の生物学者で、「マラ・ハイエナ・プロジェクト」の理事でもあるケイ・ホールカンプ氏は、「結局は体の大きさで決まります」と言う。「ブチハイエナは、ライオンに次いでアフリカで二番目に大きい肉食動物です。肉食動物の中で、食べものを得られるかどうかは、体の大きさがものをいいます」

サビサンドならではの社会性

 この映像のように、異種間で獲物が共有されることだけでなく、通常は単独行動するヒョウ同士が同じ場所にいることはめったにない。「サビサンドのヒョウたちは、私たちが考えるよりも社会性が高いのかもしれません」とバルム氏は言う。「ここに生息するヒョウたちは、車に慣れています。複数のヒョウが同じ場所にいる姿を見ることができるのは、サビサンドくらいでしょう」(参考記事:「【動画】近すぎて怖い 野生のヒョウが目の前に」

 もちろん、茂みに潜む野生のヒョウを見られるだけでもすばらしい。しかし、野生で4匹のヒョウと1匹のハイエナが遭遇するところを目撃できるのは、バルム氏に言わせれば「ヒョウの生息地で非常に珍しく、本当に貴重な体験」だ。

 映像を撮った場にいたサファリのガイド、ディックス氏にとって印象的だったのは、ハイエナがヒョウによって態度を変えたことだと話す。「子連れのメスや若いオスにはまったく動じないにもかかわらず、大きなオスには決して手出しをしてはいけないということをよく理解しています」

文=KITSON JAZYNKA/訳=鈴木和博

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