【動画】深海でかわいすぎる“ダンボ”タコに遭遇

研究者たちも大興奮、「耳」を動かして優雅に泳ぐ貴重な映像

2018.10.29
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海底の宝物

 ダンボオクトパスとの出会いは嬉しいものだったが、科学者たちに時間的余裕はなく、先を急ぐ必要があった。ノーチラス号にはもっと重要な任務があったからだ。彼らは、ダビッドソン海山のまわりに隠された自然の宝物を探るために、カリフォルニア州モントレー沖約130キロのところを航行中だった。

 ダビッドソン海山は、米国の海域で最大の海山の1つだ。ふもとから頂上までの高さは約2280メートルだ。それでも、頂上の水深は1250メートルもある。

 キング氏によると、この海山には多種多様な生物が棲んでいるものの、詳しいことはまだわからないという。先日の潜水探査の目的は、海山の南東にある、まだ誰も調査したことのない岩石の露出部分を調べることだった。その場所でクルーは、魅力的なダンボオクトパスを見つけただけでなく、「絵本から抜け出てきたような」サンゴやカイメンの群生を発見したという。

「高さ3メートルもあるミズタマサンゴや、中に入れるほど大きいカイメンがありました」とキング氏。

 モントレー湾水族館研究所(MBARI)と米海洋大気庁(NOAA)が中心となって進めた生態系調査により「海底のオアシス」と評価されたダビッドソン海山は、2009年にモントレー湾国立海洋保護区に追加された。キング氏は、この海山には巨大なサンゴの森や広大なカイメンの群生があり、種類のわからない底生動物が無数に生息していると言う。

海よりも深い敬意

 ノーチラス号探査プログラムは、沈没したタイタニック号の発見者で、ナショナル ジオグラフィック協会の「エクスプローラー・アット・ラージ(Explorer at Large)」であるロバート・バラード氏が設立した太平洋の深海を探査するミッションだ。(参考記事:「タイタニック号、5500点以上の遺物は誰の手に?」

 ノーチラス号の無人潜水機は、今回の潜水探査のほかにも、年内にあと数回の探査を行う予定だ。キング氏はTwitterでこの水中探査をライブ配信していて、視聴者が海山やその他の目に見えない海洋生物の生息地の保全に興味をもってくれることを期待している。

「ここは非常に特別な場所です」と彼は言う。「後世の人々のためにこの場所を保護し、サンゴやカイメンが生き残れるようにしたいのです」

【参考ギャラリー】変幻自在、不思議いっぱいの美しいタコたち 写真12点(写真クリックでギャラリーページへ)

文=Annie Roth/訳=三枝小夜子

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