9割の食塩からマイクロプラスチックを検出

世界で販売されている海塩、湖塩、岩塩を調査した研究で判明

2018.10.22
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【参考動画】化粧品にもマイクロプラスチック(解説は英語です)

 近年、塩に関しては、スペイン、中国、米国の各チームと、フランス・英国・マレーシアの合同チームによって、4つの研究が発表されていた。今回の研究は、こうした流れから生まれた最新の成果だ。

 米ニューヨーク州立大学フレドニア校のシェリ・メイソン教授は、今回の発見により、マイクロプラスチックの影響を評価する手段が「1つ増えた」と話す。同教授は、過去、米ミネソタ大学の研究者グループと塩を研究している。

「アジアの塩にマイクロプラスチックの量が多く含まれていたという事実は興味深いですね。以前の研究でも、これらの国で販売されている塩製品には、マイクロプラスチックが含まれていることは知られていましたが、どの程度かまでは分かっていませんでした」

 メイソン氏は、次のようにも述べている。「マイクロプラスチックが世界中に存在することを研究は示しています。英国で塩を買えば安全、というような単純な問題ではありません」

人体への影響は?

 今回の研究では、平均的な成人が食塩を通して1年間に摂取するマイクロプラスチックは約2000個だと推定している。ただ、マイクロプラスチックの摂取が、人体にどのような影響を与えるかは不明だ。

 先日発表された、英ヨーク大学によるマイクロプラスチックによる環境リスク評価の研究によれば、マイクロプラスチックが人体に害であると判断する十分な知識はまだ得られていない、という。(参考記事:「イルカに化学物質が蓄積、プラスチック添加剤」

 研究の共著者の1人、ヨーク大学の地理学教授アリスター・ボクソール氏は、「既存の320の研究を確認して、マイクロプラスチックの影響についての科学的理解には知識上の大きなギャップがあることが分かった」という。研究対象となっているマイクロプラスチックも、マイクロビーズ、プラスチック片、合成繊維と異なるため、比較できないものを比較する事態が起きているという。

「私たちの分析では、マイクロプラスチックが健康に大きな害を引き起こすと言える証拠は限られています。それでも、厳密で包括的な調査が急がれます。環境中に存在するプラスチック粒子のサイズや材質について、実際の影響を研究する必要があります」(参考記事:「マイクロプラスチックの健康への影響は?」

 なお、この研究は、米国の業界団体「パーソナルケア製品評議会」の支援によるもので、「Environmental Toxicology and Chemistry」誌に掲載されている。

 ボクソール氏はさらに、マイクロプラスチックへの関心が高まることで、タイヤの粉塵などよりたちの悪い環境汚染問題への関心が薄れてしまうかもしれないと付け加えた。(参考記事:「米国で有毒物質を最も多く排出する意外な街」

文=LAURA PARKER/訳=鈴木和博

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