【動画】ライオン、サイ、ゾウ 三つ巴のにらみ合い

意外な勝者の行動は、子の命が危険にさらされたからだろうと専門家は語る

2018.10.01
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【動画】ライオン、サイ、ゾウが三つ巴の戦い(解説は英語です)

 サバンナでライオンとゾウの群れ、クロサイ一家が鉢合わせ。この一触即発の事態を制したのは、意外な動物だった。映像を見ながら説明していこう。

 撮影したのはサファリ動画を配信する「safariLIVE」のスタッフだ。ケニアのマサイ・マラ国立保護区で偶然撮られた映像は、若いライオンの群れが子を守る2頭のクロサイを見つけ、近づくところから始まる。

 サイはライオンに気づき、体が大きいオスがライオンめがけて突進し、追い払う。すると、今度は、5頭のゾウが鳴き声をあげてやって来る。

 ゾウを見たライオンは、かなわないと思ったのか、その場を立ち去った。ところがオスのサイは、今度はゾウの群れの正面に立ちはだかる。にらみ合いがしばらく続くと、サイはゾウに向かっていくようなそぶりを見せる。こうした間も、立ち去ったはずのライオンたちは距離をおいて、ゾウとサイの様子を見ている。隙を狙おうとしているのか。

 サイの剣幕に気おされたのか、ゾウもその場を離れていった。このにらみ合いの勝者はサイだったのだ。

 国際サイ基金の理事であるスージー・エリス氏は、「サイにとって若いライオンは、手強い相手ではなかったと思います。でも、ゾウの出現で、状況はまったく変わりました」とメールでの取材に答えた。(参考記事:「絶滅寸前のサイ、保護のため捕獲後に死亡」

意外な結末を生んだ原因は子

 ゾウやサイのような草食動物同士が、鉢合わせただけで敵対することに不思議に思う人は多いだろう。若いとはいえ、そばに肉食動物のライオンがいればなおさらだ。(参考記事:「【動画】ワニに狙われ絶体絶命、その時インパラは」

 映像に記録された騒動を理解するポイントはサイもゾウも子連れだということだ。動画をよく見ればわかるが、ゾウもサイも何が起きても対応できるよう警戒していた。

 ナショナル ジオグラフィックの大型ネコ科動物保護プロジェクト「ビッグキャット・イニシアティブ」の責任者を務める野生生物学者、ルーク・ダラー氏によると、ライオンがおとなのゾウやサイを狙うことはまずないという。獲物にするには大きすぎるからだ。ただ「子には興味をもつはずです」とダラー氏は語る。

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