恐竜時代の奇妙な鳥の新種化石を発見、謎深まる

恐竜と鳥の特徴が混在、1億2700万年前、現代の鳥に近い鳥類では最古

2018.09.27
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 これは、飛行する鳥にしては「大変珍しいです」と、ドイツ、フランクフルトにあるセンケンベルク研究所の鳥類学者で鳥の進化に詳しいゲラルド・マイヤー氏は言う。骨が2本に分かれていれば、その関節が動かせるおかげで、筋肉や翼の動きが広がる。空を飛ぶために重要な機能だ。(参考記事:「鳥類学者が選んだ「すごい鳥」たち」

 肩甲烏口骨は羽ばたき飛行を妨げていた可能性が高い。「今後の研究でそれがはっきりすれば、初期の鳥類が翼をどのように使っていたか、新たな手掛かりが得られるかもしれません」と、マイヤー氏は期待する。また、ジングオフォルティスの風切り羽は飛行する鳥にしては細すぎるし、融合した肩の関節はダチョウやレアなどの飛べない種によく見られるものだ。

白亜紀の鳥ジングオフォルティス・ペルプレクサスの化石。(PHOTOGRAPH BY PNAS)
[画像のクリックで拡大表示]

「ですから、この生きものが実際に飛べたのかどうか、それとも飛べない鳥の仲間だったのかという疑問は残ります」とマイヤー氏。

 王氏のチームも、飛べない鳥の可能性は考えたとしている。しかし、化石にはほかに「洗練された飛行能力を示す」特徴も多いという。(参考記事:「「始祖鳥は飛べた」説に新たな証拠、骨格を分析」

 初期の鳥類には、骨格の発達や翼の使い方に様々な違いがみられ、この化石のように矛盾する特徴が奇妙に混在していることはむしろ、鳥の進化がこれまで考えられていたよりもずっと複雑であることを示しているのではないかと、王氏は考える。(参考記事:「恐竜絶滅、なぜ鳥だけが生き延びた?」

「これらすべてが示しているのは、飛行に必要な鳥の身体機能を進化させるのに、明快で単純な道はなかったということです」と、ブルサッテ氏も言う。「初期鳥類の飛行スタイルには、様々な試行錯誤があったのでしょう」

【参考ギャラリー】決定版!奇跡の恐竜化石たち 写真23点(写真クリックでギャラリーページへ)
「トリスタン・オットー」と名付けられたティラノサウルス・レックスの足と爪。猫の爪に似ているが、猫よりもはるかに大きく、与えられるダメージは比べ物にならない。(PHOTOGRAPHY BY MEHMET KAMAN/ANADOLU AGENCY/GETTY)

文=John Pickrell/訳=ルーバー荒井ハンナ

おすすめ関連書籍

恐竜がいた地球

2億5000万年の旅にGO!

今からおよそ2億5000万年前から6500万年前、「進化の爆発」ともいえる時代の地球。恐竜はもちろん、海の生物や虫たちまで、この時代の生き物たちを迫力のビジュアルで紹介します。

定価:本体1,400円+税

  • このエントリーをはてなブックマークに追加