【動画】ワニと遭遇し一触即発 カワウソ一家の選択

シンガポールで撮影されたカワウソとワニの対決動画。意外な結末には理由があった

2018.09.25
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【動画】カワウソ一家がワニと対決!(解説は英語です)

「数は力」と言われる。ビロードカワウソの家族に降りかかった出来事にも、それは当てはまったようだ。先日、シンガポールのスンゲイブロウ湿地保護区で、カワウソ一家がワニに立ち向かう姿が目撃された。こう聞いて、カワウソに勝ち目があると考える人は少ないだろう。 (参考記事:「【動画】ワニに狙われ絶体絶命、その時インパラは」

 シンガポール国立大学の上級講師で「カワウソさん」としても知られるN.シバソシ氏によると、カワウソは縄張り意識がとても強く、自分たちの縄張りに入るものは、相手がずっと大きな捕食者であっても追い払おうとするという。ワニは一噛みでカワウソを始末できる強靭な顎をもつ。ただ、怒ったカワウソも攻撃的で、彼らの噛みつき攻撃は想像以上に強力だ。実際、ワニもそれを知ってか、カワウソの縄張りに入ってしまったときは、戦わずに立ち去ることが多い。

 動画を撮影したのは、野生動物の写真家ジェフリー・テオ氏だ。テオ氏は、運良くこの場面に遭遇し、映像に収めた。この近辺でカワウソがワニを追いかけたり、逆に追いかけられたりするのを見るのは、ここ5年ほどで5、6回目だ。テオ氏は、カワウソとワニが同じ場所で暮らすかぎり、こうしたことが起こるのは避けられないと言う。 (参考記事:「【動画】カワウソがジャガーを撃退、方法は?」

 ワニに気づいたカワウソたちは、湿地を渡るのをやめ、体を水上に出すことを繰り返す。カワウソの威嚇なのだ。尻尾がないため、地元で「テイルレス」と呼ばれているワニは、カワウソからそう遠くない場所を泳いでいる。こうして、緊迫した異種間の対決が始まった。 (参考記事:「【動画】失われたワニの尻尾を3Dプリンターで作製」

「ビロードカワウソの一家はワニを威嚇し、ワニの出方によっては面倒なことになるぞ、と思わせているのです」とシバソシ氏は映像を見え説明する。「上位の捕食者は、お互いが威嚇行動をとることが多く、カワウソのほうが立ち去ることもあります」

 カワウソたちはワニを取り囲むようにして威嚇を続ける。ワニの強力な顎で噛みつかれたら、ひとたまりもないが、敏捷な動きで勝るカワウソは、ワニを追い払い、無事、対岸に渡ることができた。

 ところで、カワウソの武器となるのは、歯や威嚇ばかりではない。カワウソはとても賢く、特に集団でワニと対決する場合に際立つ。こうした賢さを利用して、バングラデシュでは、カワウソを使って魚を網に追いこむ漁が行われているほどだ。

 カワウソが生きていく上で脅威となるのは、ワニよりむしろ人間だろう。ビロードカワウソは、生息地が年々狭くなり、密猟も後を絶たず、現在、国際自然保護連合(IUCN)の危急種(Vulnerable)に指定されている。

文=RICHIE HERTZBERG/訳=鈴木和博

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