【動画】子は母から学ぶ ピューマの知られざる生活

ピューマの子は生き抜くための知識を母親からたくさん学んで巣立っていく

2018.09.03
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野生のピューマを追跡した結果、家族の社会生活が明らかになってきた。また、調査を行った科学者たちは、狩猟のシーズンを後ろにずらせば、孤児を減らせると提案している。(解説は英語です)

 米国ワイオミング州北西部に暮らす野生のピューマを追跡した結果、家族がどんな生活を送っているのか詳細が明らかになった。(参考記事:「ピューマの友情行動を初確認、通説覆す」

 野生ネコ科動物の保護団体「パンセラ」は、ピューマを調査する「ティトン・クーガー・プロジェクト」の一環として、モーションセンサー付きビデオカメラとGPS搭載の首輪をピューマに装着し、ピューマの母親たちの行動を記録。分析の結果、ピューマの子がねぐらでどのように過ごしているか、また母親がどれほど熱心に子育てしているかがわかってきた。録画された内容は、ピューマの子をハンターから守る手助けになると、パンセラは期待している。

 ピューマには「マウンテンライオン」「クーガー」など、様々な呼び名がある。パンセラの観察では、ピューマの母親は、出産後10日ほどはずっと、子どもたちとねぐらで過ごす。子の数は最大で5匹。子は生後1週間くらいで目が開く。母親はその間、ほぼ休みなく喉を鳴らし、子どもたちとコミュニケーションをとる。(参考記事:「【動画】こんな所にピューマの赤ちゃんが4匹!」

 その後の1カ月〜1カ月半、母親は時折狩りに出掛け、2〜3日戻ってこないこともある。クマやオオカミといった捕食者から子どもたちを守るため、倒れたモミの木の周りに生えた下草の中など、安全な場所にねぐらをつくる。

 ただ、母親が無事に戻ってくるとも限らない。ワイオミング州では、毎年10月1日に狩猟が解禁されているかだ。ちょうど生まれたばかりのピューマの子もいれば、母親について歩いている子もいる時期だ。

 世界規模でネコ科動物の保護に取り組むパンセラのピューマプログラムディレクター、マーク・エルブロッチ氏は、出掛けた母親が戻ってこなければ、「子たちは絶望しかありません」と話す。

 今回の調査で、生後6週間に達したころ、母親と子はねぐらを離れることがわかった。子どもたちの体にはシマ模様がある。歯は尖っているが、母親の狩りに同行しても、ついて行くのが精いっぱいだ。母親は獲物を捕まえると、しばしば子どもたちを近くに隠し、再び狩りに出掛ける。子どもたちが母親についていけるようになると、母子は常に行動を共にするようになる。

狩猟の対象になる母親

 生物学者ミシェル・ペジオル氏によれば、ピューマと人間が接触する地域では、ピューマの死因は人間によるものだという。ペジオル氏は5年前からティトン・クーガー・プロジェクトに参加しており、現在、大学院でピューマを研究している。

ついムギューっとしたくなる動物たち(画像クリックでギャラリーへ)
生後4週のベンガルヤマネコのオス。アムールヒョウは近絶滅種に指定されているが、ベンガルヤマネコは今のところ絶滅の心配はない。 (PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)

次ページ:狩猟解禁日と子育てが重なる

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