タランチュラの新種7種を発見、過去最高の標高で

アンデスの標高4500mで見つかった変わり者、専門家も驚く

2018.08.31
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 フェレティ氏が報告した新種のいくつかは、H. vilcanota同様に鮮やかな赤い斑点がある。この斑点の中の毛は、捕食者を払いのけて身を守る役割があることがわかった。その他のクモ、例えばアルゼンチンに固有の非常に小さいH. chasquiなどは、コケのような美しい緑色をしている。科学者たちの調査には地元の人も同行し、しばしば何日も山の中を歩き回った。彼らは新種のクモを知っており、総称して単に「カンポ・カンポ」と呼んでいた。ケチュア語だが、由来ははっきりしない。(参考記事:「タランチュラは足から糸を出す」

クモのすみかとしては、かなり変わっている

 タランチュラの新種が比較的短期間に7つ発見されるというのは驚異的に思えるかもしれない。だが、豪クイーンズランド博物館の上席学芸員で、タランチュラの専門家であるロバート・レイブン氏によれば、判定は信頼できるという。レイブン氏は今回の研究には関わっていない。

「タランチュラは南米が『本拠地』であり、かの地のタランチュラは世界のどこよりも多様ですから、驚きは全くありません」と、レイブン氏はコメントしている。「南米にはさらに多くの新種がいるはずです」(参考記事:「ジョン・レノン・タランチュラ?」

 とは言え、これほど標高の高い場所でタランチュラが生存していることにはレイブン氏も驚いた。生息地の酸素濃度は低く、凍えるほど寒い。特に、クモが狩りをする夜は冷え込む。クモのすみかとしては、かなり変わっている。

【ギャラリー】ぞわぞわする? タランチュラの写真9点(写真クリックでギャラリーページへ)
アンティルズ・ピンクトウ・タランチュラ(学名:Avicularia versicolor)の幼体。米ネブラスカ州オマハのヘンリー・ドアリー動物園で撮影。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)

「オーストラリアのタランチュラの生息地は、冬の日の平均気温によって限定されてきます。その気温は、新種のタランチュラが生息している環境よりもずっと高いです」とレイブン氏。

 フェレティ氏とサイモン氏らは、今回見つかったクモをさらに研究する予定だ。そのうち少なくともH. vilcanotaは、見守るのは難しくないだろう。その生息地をサイモン氏は15年もモニタリングしており、カエルやその他の生き物が気候変動にどう対応しているか観察してきたからだ。

「カエルは氷河が後退した地域にも生息域を広げています」とサイモン氏は話す。「タランチュラも同様に生息域を広げているのか、発見地点を再訪して確かめたいと思います」

文=Nadia Drake/訳=高野夏美

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