日本で発見 米粒サイズのタツノオトシゴは新種

「ジャパピグ」としてダイバーに人気のピグミーシーホースは新種だった

2018.08.17
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ジャパピグは米粒ほどの大きさで、日本の南東部の海で見られる。(PHOTOGRAPH BY RICHARD SMITH)
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 ジャパピグは、日本の南東部の海で見つかるほか、東京から287kmの距離にある八丈島にも生息している。幸いなことに「希少種ではありません」とショート氏。

 ジャパピグの生息地は、タツノオトシゴの生息地としては少し変わっている。ジャパピグが生息する海域は、冬にはかなり低温になり、夏は高温になる。ほかのタツノオトシゴで、これほど大きな水温変化に耐えられる種はあまりいない。

目につきにくいことが幸い

 ピグミーシーホースは、通常のタツノオトシゴより小さいだけでなく、背中の上部に鰓孔(さいこう)が1つしかない点でも異なっている。大型のタツノオトシゴでは首のあたりの両側に2つ鰓孔がある。

 ショート氏は「首の後ろ側に鼻があるようなものです」と説明する。 また、ピグミーシーホースは非常に小さく、「私の小指の爪の上に2、3匹並べられる」(ショート氏)ほどの大きさしかない。

 ピグミーシーホースは、カイアシ類やその他の小さな甲殻類などのプランクトンを食べている。「とても活動的で、遊び好きでさえあります」とショート氏。

 ただ、科学者がこの生物について言えることはこれくらいしかない。「ピグミーシーホースの生態は、ほとんど分かっていないのです」。

 ショート氏によると、現在、大型のタツノオトシゴは中国医学の生薬の原料や水族館での展示用に乱獲され、世界各地で個体数が激減しているという。(参考記事:「乾燥タツノオトシゴ800万匹を押収、ペルーの港で」

 ピグミーシーホースが米粒ほどの大きさなので、捕食者だけでなく人の目にもつきにくい。「見つけにくいピグミーシーホースは、すぐに個体数が減るようなことはなさそうです」とショート氏は結んだ。

【参考動画】ルビーシードラゴンは2015年に見つかったシードラゴンの新種だが、実際の海に生息している確証はなかった。そこで、研究者らがビデオカメラとライトを付けた小型潜水機を沈めたところ、世界で初めて海の中で生きている個体の撮影に成功した。(海中映像は1:02前後から。説明は英語です)

文=Douglas Main/訳=三枝小夜子

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