しかも、恐竜は現代と似ても似つかない生態系に暮らしていたと、メイドメント氏は指摘する。白亜紀にはまだ草も草原もなく、大型哺乳類も誕生していなかった。
「恐竜は何を食べ、彼らの消化器系はどう対処するのでしょうか? 彼らは哺乳類の捕食者にどう対応するのでしょう? 私たちは彼らをどこで飼うのでしょう? そして、彼らはどのような権利を与えられるのでしょうか? 恐竜のクローン作成は科学的に困難ですが、倫理的な問題も同じくらい難しいと思います」
「私たちの世界では、恐竜は宇宙人のようなものです」とブルサット氏も述べている。「彼らは数億〜数千万年前に進化した生物です。地球は今と全く異なる惑星でした。大陸の配置から大気、植物まで、すべて異なっていました。おそらく彼らは今の地球に全く対処できないでしょう」
私たちと恐竜はずっと共存してきた
ただし、ブルサット氏は同時に、シンプルだが確かな事実を思い出すべきだと述べている。鳥という形で、私たちと恐竜がすでに共存していることだ。現代の鳥類は原始的な陸生の鳥の子孫で、6600万年前に全世界の森林が破壊されたとき、鳥たちは生き延びた。(参考記事:「新説「恐竜絶滅」を生き延びたのは地上の鳥だった」)
「実際、シチメンチョウやダチョウ、ワシは外見も行動も、ベロキラプトルのような絶滅恐竜とあまり変わりません。つまり、間違いなく、人と恐竜は共存できます」とブルサット氏は断言する。「私たちは恐竜をペットとして飼い、調理して食べ、自然の中や動物園で鑑賞しています。スポーツチームのマスコットにもなっています」(参考記事:「祝ドナルドダック82歳、ダック写真16点」)
アーバー氏は絶滅種を復活させるための研究を支持しながらも、鳥をはじめ、あくまで現存する種の保護を最優先すべきだと述べている。
「博物館で恐竜の化石を見ると、私たちは感嘆します。絶滅はもう終わりにしたい、今地球を共有している種を守りたいと考えるきっかけになるでしょう」