光るパフィンを発見、紫外線でくちばし輝く

蛍光に光る生物は多いが、パフィンもその一種であることがわかった

2018.05.07
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 死んだ2羽のパフィンで、蛍光が確認されたのはくちばしの部分だった。(参考記事:「「見えてきた!深海サメの光る理由」)

 現在、研究チームは、生きたパフィンのくちばしも蛍光を放つのかを確かめようとしている。しかし、手当たり次第に紫外線を当てればいいという話ではない。目を傷つけてしまう可能性があるからだ。

 そこでダニング氏は、ロンドン大学ゴールドスミス校の専門家たちに声をかけ、パフィンの目を保護するものを作ってもらうことにした。「電話をかけてパフィンのサングラスを作ってもらうことになるなんて、想像もしませんでした」とダニング氏は言う。

カスタムメイドのサングラスをつけたパフィン。(PHOTOGRAPH BY JAMIE DUNNING, INTERACTION RESEARCH STUDIO AT THE UNIVERSITY OF GOLDSMITHS)
[画像のクリックで拡大表示]

 現在、ゴールドスミスのチームは、パフィン用の黄色く柔らかいサングラスの設計と開発を行っている。夏には、ダニング氏が実際にそれを使って実験を行う予定だ。それまで、パフィンのくちばしが蛍光(オレンジ色)に輝く理由は謎のままということになる。

魚の目から見た世界

 ところで、海における光の重要性というテーマは、あまり注目されることがない。前述のとおり、スパークス氏も述べているが、海全体で考えれば、太陽の光が届くのはごくわずか。 だから、暗い海に暮らす生物の中には、自ら光ってコミュニケーションをとるものもいる。(本誌2015年3月号:「光る生き物の世界」)

 米ニューヨーク市立大学の海洋分子生物学者で、ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラーでもあるデビッド・グルーバー氏は、以前のインタビューで、「私たちは、生物が光を使う世界に注目し始めたばかりで、まだ謎だらけです」と述べた。

 グルーバー氏の研究グループは、ハイパースペクトルカメラを使って水中の生物の目に映る景色をとらえようとしている。「私たちの目では、ほかの生物たちの世界で実際に起きていることを見逃してしまいますからね」

ギャラリー:光る生物の世界、18点(写真クリックでギャラリーページへ)
夏の夜、米国テネシー州で繰り広げられる光の乱舞。体を光らせて飛び回るのは、交尾の相手にアピールするホタルたちだ。(PHOTOGRAPH BY DAVID LIITTSCHWAGER )

文=Carrie Arnold/取材協力=Jane J. Lee/訳=鈴木和博

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