謎多き巨大ザメの超大群が見つかる、理由は不明

滅多に姿を見せないウバザメが約1400匹も、米北東海岸沖

2018.04.19
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 しかし、空からの調査だけで詳しいことはわからない。

「航空調査の結果は興味深いですが、これだけでは、プランクトンの密度など環境的要素についてはあまりわかりません」と、クロウ氏は言う。(参考記事:「【動画】謎のサメ「メガマウス」が泳ぐレア映像」

謎多き神秘のサメ

 米マサチューセッツ州海洋漁業部に所属する上級漁業科学者のグレゴリー・スコマル氏もまた、航空データだけでは集団を作る理由まではわからないと話す。

 スコマル氏はウバザメの集団と一緒に泳いだ経験もあるが、データ収集のために人を送り込んでも、人間がいることでサメがいつもと違う行動をとる場合があり、すすめられないという。

 このような集団を見ると、「サメの神秘性はますます高まります」とスコマル氏。なお、氏はこの研究に関与していない。

 だが、科学研究は一般市民の手を借りることもできる。モス・ランディング海洋研究所の太平洋サメ研究センターは、「ウバザメを見つけよう(Spot a Basking Shark)」という市民科学プログラムを企画し、協力を呼び掛けている。(参考記事:「市民科学の始まり、1833年の流星雨」

 ウバザメは、生涯の約90%を海の深いところで過ごし、残りの10%を水面近くで過ごす。そのため、どんな目撃情報でも助かると、プログラムのディレクターを務めるデイブ・エバート氏は言う。(参考記事:「ダイオウイカにも負けない! 海の生きものオールスターズ」

「懸念される種」

 また、ウバザメが減少している海域があることからも、できるだけ多くの情報を得ることは重要だ。NOAAは2010年に、太平洋北東部のウバザメを「懸念される種(「種の保存法」に指定されるには至らない種)」に指定した。

 20世紀に、肝油や皮を目的に乱獲され、米西海岸で減少した。そして、今なおその数は回復しないままだと、エバート氏は言う。(参考記事:「【動画】拿捕の中国船にサメ数千匹、ガラパゴス」

 だが、「少ないとはいっても、元々の基準値がわからないのです。姿が見えないからといって、全くいないわけではありません」とも付け加えた。

ギャラリー:恐ろしくも美しきサメ、10選(写真クリックでギャラリーページへ)
大きな口をあけて鋭い歯を見せるホホジロザメ。人を襲うことで知られ、多くの海水浴客を恐れさせている。(PHOTOGRAPH BY DAVID DOUBILET, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)

文=Cecelia Smith-Schoenwalder/訳=ルーバー荒井ハンナ

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