ケプラー20fと呼ばれる惑星。公転周期は20日、表面温度は摂氏427度で、既知の生命が存在するには暑すぎる。(ILLUSTRATION BY NASA, AMES, JPL-CALTECH)
ケプラー20fと呼ばれる惑星。公転周期は20日、表面温度は摂氏427度で、既知の生命が存在するには暑すぎる。(ILLUSTRATION BY NASA, AMES, JPL-CALTECH)
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――TESSはどうやって惑星を探す?

 TESSはケプラーと同じように、主星の前を惑星が通過する際に、主星の光が一時的に暗くなる現象を観測する(トランジット法)。主星の減光からは、そこに惑星があるということだけでなく、その惑星の直径や公転周期も推測できる。

 星空のほぼ一角のみを見つめ続けたケプラーとちがい、TESSは全天を観測の対象とする。地球の周りを周回しながら、4台のカメラを使って特定の恒星群を最低27日間ずつ観測し、全天の85%を網羅する予定だ。最初の1年間は南の空を観測し、翌年には北の空に移る。

「太陽系の外にこれほど数多くの多様な惑星があることがわかっていなかった時代には、それぞれの恒星を少しずつ観測していって全天を見渡すというアプローチは、リスクが大きすぎました」とカルテネガー氏は言う。「今ではケプラーのおかげで、系外にある惑星の数と、地球に似ている可能性のある惑星の数がつかめたため、全天を観測することは理にかなっているのです」(参考記事:「新発見! 銀河系の外に、1兆個の惑星が存在か」

――こうしたタイプの惑星に注目するのはなぜ?

 地球外生命の探査は、必然的に我々が現在持っている知識に制約される。未知の生命はあらゆる環境下に存在する可能性があり、それは我々の想像を越えた環境かもしれない。ただし、探査の対象を絞るため、天文学者はまず馴染みのある環境に目を向ける。地球という、比較的安定した恒星を周回する温暖な岩石惑星で、少なくとも一度は生命が進化したことを、我々は知っているからだ。

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 一方で、TESSが調査する恒星の多くは、M型矮星という赤い星だ。銀河系に最も多いタイプの恒星で、我々の太陽よりも小さくて暗い。こうした星を周回しつつ、液体の水が存在できるほど暑すぎも寒すぎもしない惑星は、主星から非常に近い軌道を回っているはずだ。研究者はこのような惑星を数カ月間のタイムスケールで見つけられるだろう。

 加えて、TESSが発見する惑星は観測しやすい位置にあるため、その地表や海、大気から、生命による代謝の兆候をとらえられる可能性もある。(参考記事:「生命が存在できそうな一番近い系外惑星が見つかる」

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